AI導入補助金の納税証明書は「その1」「その2」どちらでもよい
納税証明書は「その1」「その2」のどちらを提出しても交付申請の要件を満たします。逆に、その3・その4や領収書では受理されません。
私たちが申請支援で相談を受ける中でも、==「その1」と「その2」のどちらを取ればよいか分からず、窓口で聞き直して二度手間になった==というケースをよく耳にします。結論はシンプルで、どちらを選んでも申請要件は満たされるため、税務署の窓口やe-Taxで手に入りやすいほうを選べば問題ありません。
会計クラウドサービスが公開している納税証明書の解説でも、納税証明書は証明する内容によって「その1」から「その4」まで区分され、用途に応じて使い分けるものであり、優劣があるわけではないと説明されています。補助金の申請では、その使い分けの中の「その1」「その2」だけが対象になっている、と理解しておくと迷いません。
「その1」と「その2」は何を証明する書類か
「その1」は納付すべき税額・納付した税額・未納税額を証明し、「その2」は所得金額を証明する書類です。証明する対象が異なるだけで、補助金申請での扱いに優劣はありません。
| 種類 | 証明する内容 | 通称 |
|---|---|---|
| その1 | 納付すべき税額・納付した税額・未納税額 | 納税額等証明用 |
| その2 | 所得金額(法人は所得金額、個人は総所得金額) | 所得金額証明用 |
| その3・その4 | 未納の税額がないこと 等 | 補助金申請では対象外 |
| 消費税の証明書 | 消費税の納付状況 | 税目自体が対象外 |
銀行融資の審査では「その2」を求められることが多いため、既に手元にある場合はそのまま流用できます。新たに取得する場合は、窓口やオンラインで早く発行される方を選んで構いません。迷って時間を使うより、先に取得できたほうを申請フォームにアップロードするほうが、準備全体のスピードは上がります。
法人と個人事業主で証明する税目が違う
法人が用意するのは法人税の納税証明書、個人事業主が用意するのは所得税の納税証明書です。税目を間違えると、種類(その1・その2)が合っていても差し戻しの対象になります。
「納税証明書」と聞いて消費税の証明書を取得してしまう例があります。補助金の交付申請で求められるのは、法人税(法人)または所得税(個人事業主)の証明書のみです。税目を税務署の窓口で伝える際は、はっきり指定してください。
弊社が書類のレビューを行う際も、税目の欄を必ず確認します。個人事業主の場合、確定申告書と納税証明書の税目・年度が一致しているかを併せて見ておくと、後の不備を防げます。個人事業主が「法人税」の証明書を求めてしまう、あるいは共同経営の屋号と代表者個人の名義を取り違えるといった単純ミスも、確認を怠ると起こりがちです。窓口で申請書を書く前に、自分がどちらの立場(法人・個人事業主)で申請しているのかを、もう一度確かめてから手続きを進めてください。基本の確認ですが、意外と見落とされます。
納税証明書の取得方法|税務署窓口とe-Taxの違い
納税証明書は税務署の窓口・郵送・e-Taxのいずれかで取得できます。オンライン(e-Tax)の方が待ち時間なく手に入りやすい方法です。
補助金申請支援事業者が公開している納税証明書の解説によると、e-Taxでは税務署窓口受取・郵送受取(電子証明書必須)・電子納税証明書(PDF/XML形式)の3方式が選べるとされています。窓口請求では本人確認書類が必要になり、郵送請求では収入印紙と返信用封筒を用意する必要があります。急ぎであれば、マイナンバーカードを使ったe-Tax申請が最短の選択肢です。
窓口で請求する場合、法人であれば代表者印や登記事項証明書の提示を求められることがあり、代理人が取りに行く場合は委任状も必要になります。郵送請求は、税務署までの距離が遠い事業者にとっては便利な反面、発送から到着まで1週間前後かかることもあるため、締切が近い場合はオンライン取得を優先してください。窓口・郵送・オンラインのいずれも手数料がかかる点は共通しており、証明書1通あたり数百円程度が目安です。手数料は自治体・税務署によって多少前後するため、正確な金額は請求時に窓口またはe-Taxの画面で確認してください。
電子納税証明書はPDF形式のみ有効という注意点
電子納税証明書はPDF形式のもののみ交付申請で有効です。XML形式のデータは受理されません。
e-Taxで取得する際、発行形式を選べる画面でXML形式を選んでしまうと、せっかく取得した証明書が使えず取り直しになります。発行時点で必ずPDF形式を選択し、開いて内容が正しく表示されるかも確認してから申請フォームにアップロードしてください。都税事務所・県税事務所が発行した納税証明書も、税務署発行のものとは扱いが異なるため使用できません。
私も申請書類のチェックで、XML形式のまま提出されそうになった事例を何度か見てきました。e-Taxの画面は「証明書の種類」と「発行形式」を別々に選ぶ構成になっているため、種類だけ選んで満足せず、発行形式の欄まで必ず確認する習慣をつけてください。一度PDFで取得しておけば、他の補助金や融資審査でも使い回せるため、少し早めに取得しておいて損はありません。
「直近分」とは具体的にいつのものを指すか
「直近分」とは、法人は直近期分、個人事業主は直近年分の、申請時点で取得できる最も新しい納税証明書を指します。決算・確定申告が終わっていないと、直近分自体が存在しません。
法人であれば直前の事業年度、個人事業主であれば直前の年分の確定申告に対応する証明書が対象です。申告してから証明書が発行可能になるまでにタイムラグがあるため、決算・確定申告を終えたらすぐに納税証明書も取得しておくと、交付申請のタイミングで慌てずに済みます。
確定申告を毎年3月に済ませている個人事業主であれば、申告直後の4月以降に納税証明書を取得しておけば、年内であればいつ交付申請しても直近分として扱われます。逆に、確定申告の期限ぎりぎりに申告した場合は、証明書の発行が可能になるまで税務署側の処理を待つ必要があり、申請スケジュールに影響することがあります。決算期がずれている法人も同様に、決算から証明書取得までの実務上のタイムラグを見込んで準備してください。
納税証明書でよくある不備と再取得を避けるコツ
納税証明書の不備で多いのは、税目の間違い・種類(その3・その4)の誤り・XML形式での取得の3つです。いずれも取得し直しになり、交付申請のスケジュールを圧迫します。
- 消費税など、法人税・所得税以外の税目を取得してしまう
- その1・その2以外(その3・その4)を取得してしまう
- 電子納税証明書をXML形式で発行してしまう
取得前に「税目は法人税(または所得税)」「種類はその1またはその2」「形式はPDF」の3点をメモしてから窓口・e-Taxに向かうと、再取得のリスクを大きく減らせます。急がば回れ、事前の3点確認が結局いちばんの近道。
弊社が確認した相談事例では、==個人事業主が屋号で法人税の納税証明書を請求しようとして窓口で断られた==というケースもありました。個人事業主に法人税は存在しないため、正しくは所得税の納税証明書です。こうした基本的な取り違えは、事前にメモを用意しておくだけでほとんど防げます。
必要書類全体の中での納税証明書の位置づけ
納税証明書は、法人・個人事業主が用意する必要書類のうちの1点にすぎません。他の書類と合わせて準備することで、交付申請にまとめて進めます。
納税証明書はその1点だけを見れば単純な手続きですが、他の書類との足並みをそろえる視点も欠かせません。法人が用意する必要書類の全体像はAI導入補助金の必要書類【2026年 法人版】一覧と準備の順番で、個人事業主向けの必要書類はAI導入補助金 個人事業主の必要書類|2026年最新の準備チェックリストで解説しています。GビズIDプライムの取得スケジュールはGビズIDプライムの取得方法(最短2週間の逆算スケジュール)を、申請全体でよくある失敗パターンはAI導入補助金の申請に失敗する5つの原因と対策を参考にしてください。
納税証明書だけを先に完璧にそろえても、他の書類が遅れれば交付申請はできません。全体のチェックリストと合わせて、並行して準備を進めてください。
書類は1点ずつ個別に取得するよりも、税務署に行くタイミングでまとめて複数部を請求しておくと再取得の手間を減らせます。同じ年度の証明書が他の補助金や融資審査でも必要になることは珍しくないため、必要部数を少し多めに見積もっておくと、後から慌てて税務署に足を運ぶ回数を減らせます。証明書の有効期限に明確な決まりがない場合でも、内容が「直近」であることは求められるため、古いものを使い回さないよう保管期限の管理もあわせて行ってください。
まとめ: 納税証明書は「その1」「その2」どちらでも可。税目と形式に注意
AI導入補助金の納税証明書は「その1」「その2」のどちらでも申請要件を満たします。重要なのは種類の選択よりも、税目(法人税・所得税)を間違えないこと、そして電子納税証明書ならPDF形式で取得することです。
「直近分」の証明書は決算・確定申告後でないと発行できないため、申告を終えたタイミングで速やかに取得しておくと、交付申請の準備を止めずに進められます。他の必要書類と合わせて、計画的にそろえてください。
税目・種類・形式という3つの基本条件さえ押さえておけば、納税証明書の準備自体は難しい手続きではありません。あとは他の必要書類の期限と合わせて、逆算したスケジュールで動くだけです。迷ったときは、この3条件に立ち返って確認してください。
