補助金

小規模事業者持続化補助金|クリニックは対象外と代替2制度

公開: 2026年8月27日執筆: 原口優(代表取締役)読了目安: 8分

本記事は2026年8月時点の情報です|この記事は小規模事業者持続化補助金の活用を検討しているクリニック・医療法人の経営者向けです。対象外と分かった後に使える制度を知りたい方の参考になります。向けです

小規模事業者持続化補助金は、クリニックの医師・歯科医師・助産師や医療法人が申請しても対象外になる制度です。「商工業者の販路開拓支援」という制度趣旨のため、医療関連の職種は個人事業主であっても除外されています。本記事では対象外になる理由、除外される法人形態、クリニックが代わりに使えるデジタル化・AI導入補助金と新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の2制度を2026年8月時点の情報で整理します。

小規模事業者持続化補助金は、クリニックの医師・歯科医師・助産師や医療法人が申請しても対象外になる制度です。「商工業者の販路開拓支援」という制度趣旨のため、医療関連の職種は個人事業主であっても除外されています。本記事では対象外になる理由、除外される法人形態、クリニックが代わりに使えるデジタル化・AI導入補助金と新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の2制度を2026年8月時点の情報で整理します。

この記事は、小規模事業者持続化補助金の活用を検討しているクリニック・医療法人の経営者向けです。対象外と分かった後に使える制度を知りたい方の参考になります。

※ 2026年8月時点の情報です。

この記事でわかること

  • クリニックが対象外になる理由と除外される法人形態
  • 自由診療でも扱いが変わらない仕組み
  • 代わりに使える2つの補助金制度
  • 附帯事業がある場合の確認先

小規模事業者持続化補助金はクリニックで使えるのか|結論は「対象外」

小規模事業者持続化補助金は、クリニックを経営する医師・歯科医師にとって、原則として使えない制度です。個人事業主として開業していても、この除外ルールは変わりません。

小規模事業者持続化補助金とは、商工業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する国の補助金です。制度の対象者は「商工業者」に限定されており、医療・福祉・宗教・教育など特定の業種はあらかじめ除外されています。
小規模事業者持続化補助金で対象外になる4つの主体: 個人開業医(医師・歯科医師の医院)、助産師(個人事業でも対象外)、医療法人(医療法に基づく法人格)、宗教法人・学校法人など(非営利法人も除外)
小規模事業者持続化補助金で対象外になる4つの主体

「補助金といえば持続化補助金」という認識で相談に来る院長は多く、除外業種であることを知らずにチラシや看板の見積もりまで進めているケースも見かけます。制度名だけで判断せず、自院が対象に含まれるかを先に確認することが遠回りを防ぎます。

補助金活用ガイドの解説によると、医療法人化していない医師・歯科医師は個人事業主に当たりますが、小規模事業者持続化補助金では対象外とされています。助産師も同様に除外されます。

持続化補助金は商工会議所・商工会が窓口となり、チラシやホームページ制作の費用支援として広く紹介される制度です。そのため、窓口となるスタッフから制度名だけを聞いて「使えそうだ」と考えてしまう開業医も少なくありません。

なぜ対象外なのか|医師・歯科医師・助産師は除外業種

除外の理由は、制度が「商工業者」の販路開拓を支援する枠組みであり、医療関連の職種を対象に含めていないためです。業種そのものが線引きの基準になっている点が、他の補助金と大きく異なります。

注意: 売上規模や従業員数では判定されない
持続化補助金は従業員5人以下という規模要件が有名ですが、クリニックはその要件を満たしていても業種の時点で対象外です。規模を確認する前に、業種の除外リストを見る順番が正しい確認方法です。

私たちも相談の現場で、「うちは個人事業主だから対象のはず」と考えていた開業医に出会ったことがあります。個人事業主かどうかではなく、医師・歯科医師・助産師という職種そのものが除外の基準になっています。

同じ商業・サービス業に区分される美容室や整骨院は対象になる一方、医師・歯科医師の医院だけが除外される点は、初めて公募要領を読む経営者ほど見落としやすい部分です。柔道整復師が施術する整骨院は除外業種に含まれていないため、同じ「体を診る仕事」でも扱いが分かれます。

除外の判断基準は、資格の種類が公募要領の除外リストに明記されているかどうかの一点に尽きます。売上規模や開業年数、患者数といった経営指標は一切関係しません。看護師や理学療法士など、除外リストに名指しされていない医療系専門職が個人事業として独立開業する場合は、該当するかどうかを公募要領の記載で個別に確認する必要があります。

医療法人も対象外|宗教法人・学校法人と並ぶ除外対象

医療法人は、宗教法人・学校法人・農事組合法人などと並んで、小規模事業者持続化補助金の対象外に指定されています。個人開業医とは別に、法人形態の観点からも除外されている二重の仕組みです。

除外される主体 理由
個人開業医(医師・歯科医師) 医療関連の職種が業種除外リストに含まれる
助産師 個人事業主であっても業種除外の対象
医療法人 医療法に基づく法人格が対象法人形態に含まれない
宗教法人・学校法人など 非営利性の高い法人形態は原則対象外

分院を複数運営する医療法人グループから相談を受けることもありますが、規模の大小や分院数にかかわらず、医療法人という法人形態である時点で対象外になります。「法人化すれば審査が通りやすくなるのでは」という発想自体が、この制度には当てはまりません。

一般社団法人・一般財団法人が母体のクリニックも同様に対象外です。医療法上、医業を営めるのは個人開業医か医療法人などに限られており、法人格の違いによって除外の判定が変わることはありません。個人開業医、医療法人、そして宗教法人・学校法人など。除外される主体はこの3系統に集約されます。

自由診療でも扱いは変わらない|ものづくり補助金との違い

持続化補助金は、保険診療か自由診療かにかかわらず、業種そのもので除外されます。この点は、ものづくり補助金はクリニックで使える?医療法人は対象外に注意で解説している制度とは判断基準が異なります。

ものづくり補助金は「保険診療か自由診療か」という収益の出どころで対象経費が線引きされ、個人開業医の自由診療メニュー向け投資なら対象になり得ます。一方、持続化補助金には収益の出どころという判断軸そのものが存在しません。

「自由診療をメインにしているから何か使えるはず」という期待は、持続化補助金には通用しません。同じ「医療系の補助金」というくくりでも、制度ごとに除外の理由が違う点を先に押さえておく必要があります。

美容皮膚科や審美歯科のように自由診療の比率が高い医院からの相談でも、この結論は変わりません。収益構成をいくら見直しても、業種除外という一次的な壁は越えられないためです。診療内容ではなく、資格そのものによる線引き。この違いを最初に理解しておくと、制度選びで迷わなくなります。

AI導入補助金の無料相談

代わりに使える制度①デジタル化・AI導入補助金|医療法人も対象

デジタル化・AI導入補助金2026は、医療法人・個人開業医のどちらも対象に含む制度です。電子カルテやレセコン、予約システムのようなITツールの導入費用が対象になります。

デジタル化・AI導入補助金2026の公式サイトによると、資本金3億円以下または従業員300人以下の会社・個人事業主が「中小企業者等」として対象に含まれ、医療法人も申請対象の組織形態に含まれています。補助上限額は最大450万円です。

厚生労働省の医療施設動態調査(令和8年3月末概数)によると、全国の一般診療所数は10万5,631施設に上ります。同業が多いほど、電子カルテ連携や予約導線の差が来院数に響きやすくなります。

具体的な対象ツールの分野と補助率は、AI導入補助金はクリニックも対象?電子カルテ3分野の補助額で詳しく整理しています。予約システムを選ぶ基準まで知りたい場合は、クリニックのIT導入補助金|予約システム選びの5つの視点もあわせてご覧ください。

申請にはGビズIDとIPAのSECURITY ACTION自己宣言(★一つ星以上)が必須です。持続化補助金とは申請窓口も必要書類もまったく異なるため、除外業種だと分かった時点でこちらの準備に切り替えたほうが手戻りが少なくなります。

代わりに使える制度②新事業進出・ものづくり商業サービス補助金|個人開業医が対象

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、個人開業医のクリニックであれば対象に含まれる制度です。ただし医療法人は、ものづくり補助金の系譜と同じくこちらも原則対象外になります。中小企業基盤整備機構の公式サイトで最新の公募スケジュールを確認できます。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは、旧ものづくり補助金と新事業進出補助金を統合した後継制度です。第1回の申請受付は2026年8月31日に始まります。締切日は公募要領で最新情報を確認してください。
持続化補助金と代わりに使える2制度の違い: 持続化補助金は業種で一律除外され自由診療でも対象外。代替2制度は医療法人も個人も対象で、検査機器やシステムの投資が対象
持続化補助金と代わりに使える2制度の違い

自由診療メニュー向けの検査機器や、既存の保険診療とは別の新規サービス立ち上げに使う設備投資が対象になります。保険診療で使う機器の単純な入れ替えは対象外になる点は、旧ものづくり補助金と同じ考え方が引き継がれています。

対象になる投資の具体例、経費区分、補助上限額は、前述のものづくり補助金の記事で詳しく解説しています。ソフト単体の導入ならデジタル化・AI導入補助金、機器を伴う投資ならこちらという住み分けです。

申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要で、取得には数週間かかることがあります。第1回の締切に間に合わせたい個人開業医は、投資内容を固める前にIDの取得手続きから着手しておくと安全です。

AI導入補助金の無料相談

附帯事業や紹介だけで諦める前に|商工会・専門家に確認すべき3点

「除外業種だから何もできない」と自己判断する前に、確認しておきたい点が3つあります。独学の思い込みで検討自体をやめてしまうのが、一番もったいない失敗です。

注意: よくある3つの思い込み
1点目は、医療法人化すれば審査対象になると誤解するケース。2点目は、自由診療中心だから持続化補助金も対象になると誤解するケース。3点目は、物販やエステなど附帯事業があれば自動的に対象になると誤解するケースです。

物販や美容メニューなど、保険診療以外の附帯事業を別事業として展開しているクリニックもあります。この場合の扱いは実態によって変わるため、公募要領を自己判断で読むのではなく、商工会・商工会議所や認定支援機関に個別に相談することが必須です。

除外業種だと分かった時点で終わりにせず、代わりに使える制度を探す発想に切り替えることが、投資を前に進める一番の近道です。私たちも登録支援事業者として、除外業種の相談を受けた際は、対象になる別制度の紹介まで含めて対応しています。

制度選びで迷う開業医の多くは、「持続化補助金がダメなら諦めるしかない」と考えがちです。実際にはITツール中心か機器投資中心かを整理するだけで、使える制度はすぐに見えてきます。

当社はAI導入補助金の登録支援事業者として、対象ツールの選定から申請書類の作成、採択後の実績報告まで一貫して支援しています。制度選びに迷う場合は、投資したい内容を具体的に伝えてください。

中小企業と小規模事業者の判定基準そのものを詳しく知りたい場合は、小規模事業者持続化補助金は中小企業も対象|3制度の使い分けも参考になります。

まとめ: クリニックは除外業種、代わりの2制度で投資を進める

小規模事業者持続化補助金は、医師・歯科医師・助産師と医療法人を対象外とする除外業種の制度です。個人事業主かどうか、自由診療かどうかにかかわらず、この扱いは変わりません。

クリニックが使う補助金を選ぶ4ステップ: 対象外を確認する、投資の中身を整理する、使う制度を選ぶ、支援機関に相談する
クリニックが使う補助金を選ぶ4ステップ

ITツールの導入ならデジタル化・AI導入補助金、自由診療メニュー向けの機器投資なら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金です。投資の中身によって選ぶ制度が変わる点を先に整理してください。附帯事業がある場合は自己判断せず、商工会や認定支援機関への確認を先に済ませてください。

私たちは2020年3月創業、大阪市東成区を拠点に、登録支援事業者としてクリニックを含む医療機関の申請支援に携わってきました。除外業種だからと諦める前に、今検討している投資の内容を具体的にお聞かせください。

AI導入補助金の無料相談

よくある質問

小規模事業者持続化補助金はクリニックでも申請できますか?
原則できません。医師・歯科医師・助産師と医療法人は補助対象外と定められています。
なぜクリニックは対象外なのですか?
制度が商工業者の販路開拓支援を目的とし、医療関連の職種を除外しているためです。
医療法人化すれば対象になりますか?
なりません。個人開業医・医療法人のどちらも除外対象に含まれています。
自由診療がメインなら対象になりますか?
なりません。持続化補助金は診療の種類ではなく業種そのもので除外されます。
クリニックが代わりに使える補助金はありますか?
デジタル化・AI導入補助金と新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の2つです。
附帯事業を別法人にすれば申請できますか?
実態次第のため自己判断せず、商工会や認定支援機関へ個別に確認してください。

補助金が使えるか、無料で確認しませんか

要件の確認から申請書類の準備まで、はじめての方でも進められるようご案内します。

まず3分の無料診断で「うちの場合」を確認する 3営業日以内に返信します。営業電話はいたしません。
SUPERVISED BY|この記事の監修者
原口優
原口 優|セブンセンシズ株式会社 代表取締役
大阪・東成区のデジタルマーケティング&AI導入支援会社の代表。IT導入補助金(現・AI導入補助金)の申請支援50社+・採択通過率90%以上(※当社支援実績)。MEO事業「G-ran」運営。AI導入補助金の申請実務・採択ノウハウを毎日発信しています。