補助金

小規模事業者持続化補助金は中小企業も対象|3制度の使い分け

公開: 2026年8月15日執筆: 原口優(代表取締役)読了目安: 8分

本記事は2026年8月時点の情報です|この記事は自社が中小企業だと認識していて、小規模事業者持続化補助金を使えるかどうかを確認したい経営者・担当者向けです。他の補助金との違いを知りたい方の参考にもなります。向けです

小規模事業者持続化補助金の対象は、「中小企業者」ではなく、より小さい規模の「小規模事業者」です。商業・サービス業なら従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下が基準です。中小企業基本法上の中小企業者に該当していても、この従業員数を超えていれば対象外になります。本記事では、両者の基準の違いと、対象外の場合に使えるIT導入補助金・ものづくり補助金との使い分けを2026年8月時点の情報で整理します。

小規模事業者持続化補助金の対象は、「中小企業者」ではなく、より小さい規模の「小規模事業者」です。商業・サービス業なら従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下が基準です。中小企業基本法上の中小企業者に該当していても、この従業員数を超えていれば対象外になります。本記事では、両者の基準の違いと、対象外の場合に使えるIT導入補助金・ものづくり補助金との使い分けを2026年8月時点の情報で整理します。

この記事は、自社が中小企業だと認識していて、小規模事業者持続化補助金を使えるかどうかを確認したい経営者・担当者向けです。他の補助金との違いを知りたい方の参考にもなります。

※ 2026年8月時点の情報です。

この記事でわかること

  • 小規模事業者持続化補助金の対象になる基準
  • 中小企業者と小規模事業者の違い
  • IT導入補助金・ものづくり補助金との使い分け
  • 複数の補助金を併用できるかどうか

小規模事業者持続化補助金の対象は「中小企業者」ではなく「小規模事業者」

対象になるかどうかは、中小企業者かどうかではなく、業種ごとの従業員数基準を満たす小規模事業者かどうかで決まります。「うちは中小企業だから対象のはず」という思い込みが、誤判定の一番多い原因です。

対象になる範囲を先に押さえるなら、小規模事業者持続化補助金2025|建設業の対象条件と経費が参考になります。

対象になる範囲は小規模事業者持続化補助金|飲食店で対象になる4つの投資で整理しています。

関連する内容は中小企業成長加速化補助金|1次2次の実績とスケジュールで整理しています。

小規模事業者とは、中小企業者の中でもさらに従業員数が少ない事業者を指す区分です。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下が基準になります。

補助金ポータルの解説記事によると、この基準は法人・個人事業主を問わず共通です。資本金の額は判定に使いません。

私たちは登録支援事業者として補助金の申請支援に携わっていますが、「資本金が少ないから小規模事業者のはず」という相談を受けることがあります。判定基準は従業員数だけなので、資本金の額は考慮しなくて構いません。

中小企業者と小規模事業者は何が違うのか|基準一覧

中小企業者は資本金または従業員数のどちらかで判定し、小規模事業者は従業員数のみで判定する、より厳しい基準です。この二段階構造を知らないと、対象を見誤ります。

小規模事業者の従業員数基準: 商業・サービス業5人以下、宿泊業・娯楽業20人以下、製造業その他20人以下、中小企業者より基準が厳しい
小規模事業者の従業員数基準
区分 判定基準 業種別の目安
中小企業者 資本金 or 従業員数(どちらか一方) 製造業等:資本金3億円以下 or 300人以下/卸売業:1億円以下 or 100人以下/サービス業:5000万円以下 or 100人以下/小売業:5000万円以下 or 50人以下
小規模事業者 従業員数のみ 商業・サービス業:5人以下/宿泊業・娯楽業・製造業その他:20人以下

参議院法制局が整理した中小企業基本法の業種別基準でも、この二段階の区分が明記されています。中小企業者の基準を満たす会社の多くは、実は小規模事業者の基準も同時に満たしています。従業員が10人を超えたあたりから対象外になる可能性が出てくるため、そのラインを意識してください。

中小企業者と小規模事業者の詳しい業種区分は、IT導入補助金の中小企業とは?業種別4区分の資本金・従業員数でも整理しています。

自社が小規模事業者に該当するかを確認する4ステップ

確認は、業種→従業員数→対象経費→使う制度の順に進めると迷いません。順番を守れば、初めての方でも自社の立ち位置を把握できます。

自社が対象か確認する4ステップ: 業種を確認する(4区分のどれか)、従業員数を確認する(小規模事業者に該当するか)、対象経費を確認する(販路開拓か設備投資か)、使う制度を選ぶ(持続化か他の補助金か)
自社が対象か確認する4ステップ

ステップ1: 自社の主たる業種を確認する

売上構成の中心となる事業内容で、商業・サービス業/宿泊業・娯楽業/製造業その他のどれに当てはまるかを確認します。

ステップ2: 常時使用する従業員数を数える

パート・アルバイトの数え方には例外があります。迷う場合は商工会・商工会議所に確認すると確実です。

ステップ3: 使いたい経費の性質を確認する

チラシ制作や展示会出展のような販路開拓費なのか、ソフト導入や設備投資なのかで、合う制度が変わります。

ステップ4: 使う制度を選ぶ

小規模事業者に該当し、経費が販路開拓中心なら持続化補助金が候補です。該当しない、または設備投資中心なら次章の制度を検討します。

4つのステップは、この順番を守ることが重要です。経費から先に決めてしまうと、対象者の基準を見落としやすくなります。業種と従業員数を先に確定させてから、使いたい経費に合う制度を探す流れにしてください。

小規模事業者持続化補助金とIT導入補助金・ものづくり補助金の違い

3制度は対象者・対象経費・補助上限額のすべてが異なり、同じ「補助金」でも役割が違います。名前が似ていても中身は別物と考えてください。

制度名 対象者 補助上限額 補助率 主な対象経費
小規模事業者持続化補助金 小規模事業者 50万円(特例併用で最大250万円) 2/3 広報費・ウェブ関連費・展示会費等
デジタル化・AI導入補助金2026 中小企業者・小規模事業者 450万円 1/2〜2/3 ソフトウェア・システム導入費
ものづくり補助金 中小企業者・小規模事業者 3,000万円(特例4,000万円) 1/2〜2/3 機械装置・システム構築費

補助金ポータルの解説記事によると、持続化補助金の通常枠はインボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円が上乗せされ、両方満たすと最大250万円になります。

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)は、事務局の通常枠ページによると通常枠が上限5万円〜450万円で、賃上げ要件を満たすと補助率が1/2から2/3に上がります。ものづくり補助金は設備投資が中心で、小規模事業者は補助率が2/3に優遇されます。

チラシやウェブサイトで新規顧客を増やしたいなら持続化補助金が候補です。会計・受発注ソフトを入れたいならデジタル化・AI導入補助金2026、機械設備を更新したいならものづくり補助金が向いています。やりたいことから逆算して選ぶと迷いにくくなります

例えば、店舗の看板とチラシを新調しつつ、あわせて予約管理ソフトも導入したいケースを考えます。この場合、看板・チラシの費用は持続化補助金、予約管理ソフトの費用はデジタル化・AI導入補助金2026と、経費ごとに申請先を分けて検討することになります。

小規模事業者に該当しない中小企業が使える補助金

小規模事業者の基準を超える中小企業者は、持続化補助金の対象外でも、デジタル化・AI導入補助金2026やものづくり補助金は使える場合があります。基準を超えた時点であきらめる必要はありません。

注意: 従業員10人前後は要注意
従業員が10人前後まで増えると、業種によっては小規模事業者の基準を超えます。増員のタイミングで対象制度が変わっていないか確認してください。

デジタル化・AI導入補助金2026とものづくり補助金は、中小企業者であれば小規模事業者でなくても対象です。対象経費や中小企業者の判定方法は、ものづくり補助金は資本金オーバーでも対象?中小企業者7区分で詳しく解説しています。

個人事業主の場合の対象条件や採択率は、小規模事業者持続化補助金|個人事業主の採択率47.2%と対策を参考にしてください。

複数の補助金は併用できるのか

異なる経費に対する申請であれば複数の補助金を併用できますが、同一の経費への重複受給は認められません。この原則はどの補助金でも共通です。

補助金バンクの解説記事によると、同じ機械やソフトウェアの費用に対して2つの補助金を同時に申請することはできません。事業や費目を分けて説明できる状態にしておく必要があります。

例えば、持続化補助金でチラシ制作費を申請し、デジタル化・AI導入補助金2026で会計ソフト導入費を申請するのは、経費が別なので問題ありません。同じ会計ソフトの費用を両方に計上することはできません。

見積書や請求書の段階で、どの経費をどの制度に計上するかを分けておくと、実績報告の段階で混乱しません。1枚の見積書に複数制度分の経費をまとめて書かないことも、あわせて意識してください。事業者側が経費を混同したまま申請すると、審査の段階で指摘を受けたり、実績報告で追加の説明を求められたりすることがあります。

申請から交付までの流れ

申請から交付までは、公募要領の確認・事業計画書の作成・電子申請・審査・交付決定という順に進みます。制度によって細部は違いますが、大枠は共通です。

まず確認すべきは、自社が対象か、対象経費の範囲はどこまでかの2点。次に、商工会・商工会議所や登録支援事業者に相談しながら事業計画書を作成し、jGrantsなどの電子申請システムで提出します。

交付決定の通知が届く前に契約・発注をすると、補助対象から外れてしまいます。この順番はどの制度でも共通のルールなので、必ず通知を待ってから発注してください。

申請の詳しい流れやよくある失敗は、AI導入補助金の申請に失敗する5つの原因と対策でも解説しています。採択後の実績報告の書き方は実績報告の書き方|必要書類と提出の4ステップにまとめています。

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中小企業が申請でつまずきやすい3つの失敗パターン

つまずきやすいのは、資本金だけで判断すること、従業員数を数え間違えること、対象経費を勘違いすることの3つです。どれも事前確認で防げます。

小規模事業者の判定でよくある誤り: NG例は中小企業者なら対象と誤解・資本金だけで判断・人数を数え間違える。OK例は従業員数だけで判定する・業種区分を先に確認・常時使用の定義を確認
小規模事業者の判定でよくある誤り

1つ目は、資本金だけで判断してしまうこと。小規模事業者の判定基準は従業員数のみで、資本金の額は関係ありません。資本金が少なくても、従業員数が基準を超えていれば対象外です。

2つ目は、従業員数の数え方を間違えることです。常時使用する従業員には、短時間のパート・アルバイトが含まれない場合があります。自己判断せず、商工会・商工会議所に確認してください。

3つ目は、対象経費を勘違いすることです。持続化補助金は販路開拓が中心で、パソコン購入のような単純な設備投資は対象になりにくい傾向があります。

私たちは登録支援事業者として、こうした対象経費の勘違いによる差し戻しを何度か見てきました。制度ごとの対象経費を先に確認する習慣をつけてください。

3つとも、公募要領を読む前の思い込みが原因になっています。「自社は中小企業だから大丈夫」という前提を一度外し、業種・従業員数・経費の3点を公募要領で確かめるところから始めると、差し戻しを防ぎやすくなります。特に従業員数が基準ぎりぎりの会社は、公募回によって在籍人数が変わることもあるため、申請の都度、最新の人数で確認してください。

まとめ: 小規模事業者持続化補助金と他制度を正しく使い分ける

小規模事業者持続化補助金の対象は、中小企業者ではなく従業員数の基準を満たす小規模事業者です。基準を超える中小企業者は、デジタル化・AI導入補助金2026やものづくり補助金といった別の制度で設備投資やIT導入を進められます。

「中小企業だから対象外」と早合点せず、従業員数と対象経費の2つを確認してから、自社に合う制度を選んでください。異なる経費であれば複数の補助金を併用できる点も、資金計画を立てるうえで覚えておく価値があります。

私たちは登録支援事業者として、対象ツールの選定から申請書類の作成、採択後の実績報告まで一貫して支援しています。どの制度が自社に合うか判断に迷ったときは、早めに相談してください。公募要領は制度・回ごとに更新されるため、申請の直前には必ず最新版を確認してください。

複数の制度を並行して検討する場合、それぞれ公募スケジュールが異なる点にも注意が必要です。先に締切が来る制度から準備を始めると、書類作成が重なって慌てる事態を避けやすくなります。

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よくある質問

小規模事業者持続化補助金は中小企業でも申請できますか?
中小企業者のうち、業種ごとの従業員数基準を満たす「小規模事業者」のみが対象です。
中小企業者と小規模事業者はどう違いますか?
中小企業者は資本金または従業員数で判定し、小規模事業者は従業員数のみで判定します。
小規模事業者に該当しない中小企業はどの補助金を使えますか?
デジタル化・AI導入補助金2026やものづくり補助金など、中小企業者向けの制度が使えます。
複数の補助金を同時に申請できますか?
異なる経費に対する申請であれば併用できますが、同一経費への重複受給は認められません。
どの補助金を選べばよいか迷ったらどうすればよいですか?
対象経費の性質(販路開拓かIT導入か設備投資か)で選び、迷えば登録支援事業者に相談してください。

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SUPERVISED BY|この記事の監修者
原口優
原口 優|セブンセンシズ株式会社 代表取締役
大阪・東成区のデジタルマーケティング&AI導入支援会社の代表。IT導入補助金(現・AI導入補助金)の申請支援50社+・採択通過率90%以上(※当社支援実績)。MEO事業「G-ran」運営。AI導入補助金の申請実務・採択ノウハウを毎日発信しています。