ただし2026年10月1日の改正で、受給額は20万円か25万円の2通りになりました。9月までの「最大80万円」とは別の制度と考えてください。
※ (10月11日に確認)。厚生労働省の支給要領(令和8年10月1日改正)とQ&A(同日現在)で確認しました。
この記事でわかること
- 個人事業主が対象になる条件
- 10月の改正で変わった受給額と要件
- 計画の提出から入金までの期間
- 個人事業主が失敗しやすい3つの注意点
個人事業主は外国人雇用の助成金の対象になるのか
雇用保険に入っている外国人を雇い、外国人雇用状況届出を出している個人事業主なら対象です。支給要領0301が定める事業主の条件に、法人であることは含まれていません。
個人事業主が確かめる条件は、次の表の5つです。
| 条件 | 確かめ方 |
|---|---|
| 雇用保険の適用事業主である | 労働保険の番号があるか |
| 外国人雇用状況届出を出している | 雇入れのときにハローワークへ届けたか |
| 対象の外国人が雇用保険に入っている | アルバイトでも被保険者なら対象 |
| 計画の前後で解雇をしていない | 日本人の従業員の解雇も含む |
| 過去3年にこの助成金を受けていない | 最後の支給決定日から数える |
対象の外国人には技能実習生も含まれます。特別永住者と、在留資格「外交」「公用」の方は含まれません。
家族だけで営む事業や、外国人が雇用保険に入っていない働き方では申請できません。週20時間未満のアルバイトだけを雇っている場合は、先に加入の状況を確かめてください。
個人事業主の助成金に共通する条件は個人事業主の助成金の申請条件にまとめています。
2026年10月の改正で受給額と要件はどう変わったか
10月1日以降に計画を出すと、受給額は最大80万円から最大25万円に下がりました。その代わり、措置の数は5つから3つに減っています。

| 項目 | 9月まで(4月版) | 10月から(10月版) |
|---|---|---|
| 受給額 | 措置ごとに20万円 | 20万円か25万円の定額 |
| 上限 | 80万円 | 25万円 |
| 責任者の講習 | 任意(受けると離職率の要件が免除) | 全員が受ける(免除はなし) |
| 責任者の面談 | 計画期間に1回以上 | 3か月ごとに1回以上(期間後の6か月も) |
| 苦情・相談の体制 | 独立した措置 | 責任者の仕事に統合 |
9月30日までに計画を出した事業主は、前の要領のまま進みます(支給要領0802チ)。
検索すると「最大80万円」と紹介する動画や記事がまだ多く出てきます。私が10月11日にYouTubeで検索したときも、上位の動画の1本は題に「最大80万円」とありました。これから計画を出すなら、10月版の資料だけを見てください。
いくらもらえるかは3つの取り組みで決まる
責任者の選任と書類の多言語化の2つで20万円、一時帰国の休暇制度も整えると25万円です。3つ目だけを選ぶことはできません。

1つ目の雇用労務責任者の選任は、次の4つをすべて満たすことです。
- 責任者の名前と、相談に応じることを外国人に知らせる
- 全員と3か月ごとに1回以上面談し、記録を書面に残す
- 労働基準監督署などの相談先を知らせる
- 責任者が「外国人労働者雇用労務責任者講習」を受ける
2つ目の多言語化は、3種類の書類をそれぞれ1つ以上、母国語か「やさしい日本語」にすることです。3種類とは、就業規則か労働協約、労働条件通知書か雇用契約書、社内マニュアルを指します。
3つ目の一時帰国の休暇制度は、年次有給休暇とは別に、連続5日以上の有給休暇を年1回以上取れる決まりです。就業規則に書き、実際に誰かが取得するまでが要件になります。
申請から入金までの流れと期間
計画期間を3か月にしても、計画の提出から支給申請まで最短で約10か月かかります。期間後6か月の定着を見てから申請するためです。

計画期間は3か月から1年の間で決めます。計画書は、期間の初日の6か月前から1か月前までに、本社を管轄する労働局へ出してください。
期間が終わった翌日から6か月間が、離職率を測る期間です。外国人の離職率が15%以下でなければ受け取れません。外国人が2〜6人なら、離職が1人までは認められます。
支給申請は、その6か月を過ぎた翌日から2か月以内です。10月11日時点で、改正に対応した電子申請は準備中とされています。今は書類を労働局へ持参か郵送で出します。
個人事業主が失敗しやすい3つの注意点
個人事業主で多いのは、就業規則がない・責任者がいない・1人が辞めると届かない、の3つです。どれも計画を出す前に分かります。
1つ目は就業規則です。従業員が10人未満なら、就業規則を作る義務はありません。しかし多言語化の要件に「就業規則か労働協約」が入っているため、この助成金を使うなら就業規則から作る必要があります(Q&A21)。
2つ目は責任者です。支給要領は、適当な人がいなければ事業主本人が責任者になれると定めています。ただし講習の受講と、3か月ごとの面談の記録は本人の仕事になります。
3つ目は人数です。外国人が1人だけだと、期間後にその1人が辞めれば受け取れません。計画の時点で名簿に載せた外国人のうち1人以上が、離職率を測る6か月の終わりまで働き続けていることも要件です。
支給要領を読んで私が意外だったのは、事業主本人が責任者になれる点よりも、面談が期間後まで続く点でした。この助成金は、1年以上かけて職場の仕組みを整え、定着を見届けた結果に払われるお金です。
申請の要件に自社が当てはまるかは、3分の適性診断(無料・8問)で確かめられます。登録は不要で、その場で点数が出ます。
自分で進めるか社労士に頼むかの分かれ目
就業規則がすでにあり、外国人が2人以上いるなら、自分で進めても届きやすい制度です。就業規則がない場合は、作る費用と25万円を比べてから決めてください。
| あなたの状況 | 向いている進め方 |
|---|---|
| 就業規則あり・外国人2人以上 | 自分で計画書を書き、労働局で確認を受ける |
| 就業規則なし・作る予定もある | 社労士に就業規則と計画書をまとめて頼む |
| 外国人1人・辞める可能性がある | 定着の見込みが立つまで待つ |
| 計画開始まで1か月を切った | 開始月を後ろにずらして出し直す |
社労士に頼んでも、講習の受講と面談は責任者本人が行います。頼めるのは書類の作成と提出の部分です。
この助成金は取り組みに対する定額の支給で、ツールの購入費を補助する仕組みではありません。勤怠管理や翻訳の仕組みをITツールで入れたい場合は、別の制度を検討します。
個人事業主のAI導入補助金や、IT導入補助金2026の個人事業主向けの申請枠を参考にしてください。
当社はAI導入補助金の登録支援事業者として、対象ツールの選定から、申請に向けた相談・助言、採択後の実績報告まで支援しています。申請書類はお客様が作成し、当社は内容の確認と助言を行います。
まとめ: 今日やるのは雇用保険と就業規則の確認
外国人雇用の助成金は、個人事業主でも条件を満たせば受け取れます。10月の改正後は20万円か25万円の定額で、1年近い準備と定着の確認が前提です。
今日できる一歩は、外国人スタッフの雇用保険の加入と、就業規則の有無を確かめることです。両方そろっていれば、厚生労働省のコースのページから10月版の計画書を取り、労働局へ相談してください。
計画は、始める1か月前までに出すのが条件です。開始月を決めてから逆算しましょう。

