※ 事業承継・M&A補助金16次公募の公募要領(2026年9月4日公開)で確かめました。
この記事でわかること
- 個人事業主が使える4つの枠の違い
- 事業承継促進枠に申請できる5つの条件
- 補助率・上限額と、自己負担の目安
- AI導入補助金と使う順番
個人事業主の事業承継で使える補助金は?4つの枠の違い
親族や従業員に継ぐなら事業承継促進枠、第三者に売るなら専門家活用枠です。事業承継・M&A補助金には4つの枠があり、継ぎ方で申請先が変わります。

4つの枠の役割は次のとおりです。
| 枠 | 使う場面 | 主に補助される費用 |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 親族・従業員が継ぐ | 継いだ後の設備投資・専門家費用 |
| 専門家活用枠 | 第三者に売る・買う | 仲介・FA・デュー・ディリジェンスの費用 |
| PMI推進枠 | 買った後に統合する | 統合の専門家費用・設備投資 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 事業を畳んで出直す | 廃業登記・在庫処分・原状回復の費用 |
親の店を子が継ぐ、長く勤めた従業員が継ぐ。個人事業主によくあるこの2つの形は、どちらも事業承継促進枠に当たります。以下は事業承継促進枠を中心に説明します。
事業承継促進枠に個人事業主が申請できる5つの条件
個人事業主が申請するには、譲る側と継ぐ側の両方が条件を満たす必要があります。1つでも欠けると、書類審査の前の資格審査で外れます。

- 譲る側(被承継者)が青色申告者で、開業届と青色申告承認申請書の提出から5年が経っている
- 継ぐ側(承継予定者)が親族か、その事業に3年以上続けて雇われている
- 譲る側が廃業し、継ぐ側が開業する「事業譲渡」の形で引き継ぐ
- 認定経営革新等支援機関から、事業承継計画の確認書を受けている
- 公募申請期日から5年後の2031年11月5日までに承継を終える
親族が継ぐ場合でも、その事業の代表を過去に務めたことがある人は対象外です。親族の範囲は、六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族です。
申請は譲る側と継ぐ側の共同申請が必須です。継ぐ側はまだ開業前のことが多く、1人では申請者になれないためです。
認定経営革新等支援機関は、税理士・商工会議所・金融機関などが国の認定を受けています。事業承継促進枠の16次公募要領は、締切の直前に依頼すると確認が間に合わない場合があると注意しています。確認書は申請書類の1つなので、依頼が遅れると申請そのものができません。
補助率と上限額はいくら?小規模なら3分の2
事業承継促進枠の上限は800万円で、小規模事業者なら費用の3分の2まで補助されます。賃上げの条件を満たすと、上限が1,000万円に上がります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率(小規模事業者等) | 3分の2以内 |
| 補助率(それ以外) | 2分の1以内 |
| 補助下限額 | 100万円 |
| 補助上限額 | 800万円(賃上げ3%以上で1,000万円) |
| 廃業費の上乗せ | 300万円(廃業・再チャレンジ枠と併用したとき) |
800万円を超えて1,000万円までの部分は、補助率が2分の1以内になります。小規模事業者等とは、商業・サービス業なら従業員5人以下、製造業その他と宿泊業・娯楽業なら20人以下の会社や個人事業主です。
下限額から逆算すると、小規模事業者は経費150万円以上、それ以外は200万円以上の投資でないと申請できません。補助額が100万円を下回る申請は受け付けられないためです。
親から店舗や機械を買い取る費用など、譲る側に支払う費用は原則として補助の対象外です。補助されるのは、継いだ経営資源を使って新しく行う設備投資などに限られます。
申請から承継完了までの流れ(16次公募の日程)
16次公募は2026年10月2日に受付が始まり、11月6日17時に締め切られます。申請はjGrants(国の電子申請)で行い、GビズIDプライムのアカウントが要ります。

公募要領に書かれた予定は次のとおりです。採択通知は12月下旬、交付申請は2027年1月下旬からの予定です。補助事業の期間は交付決定から14か月以内です。
経費は交付決定の後に契約・発注し、期間内に支払いまで終える必要があります。交付決定の前に発注した機械は、どれだけ事業に必要でも補助されません。
補助金は、事業を終えて実績報告をした後の精算払いです。それまでの設備代は自分で用意する必要があります。資金繰りに不安があれば、申請の前に金融機関へ相談してください。
譲る側の提出書類には、直近3期分の確定申告書Bと青色申告決算書、開業届と青色申告承認申請書の写しが含まれます。開業届の控えが見つからない場合の扱いは、事務局の「よくある質問」に載っています。
承継の前と後で、AI導入補助金をどう使い分けるか
AI導入補助金を使うなら、親の名義のうちか、後継者の開業の翌年度以降かを先に決めてください。承継の年は、後継者の名義では申請できない見込みが高いためです。

デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領(通常枠)は、個人事業主に2025年分の確定申告書の控えを求めています。そのため2026年に開業した個人は、2026年度に申請できません。承継で後継者が開業した年も、同じ扱いになると考えて計画してください。
状況ごとの判断は次のとおりです。
- 承継まで1年以上あるなら、親の名義でAI導入補助金を先に使う手があります。2026年度の6次締切は10月30日17時です
- 承継の年に後継者が開業するなら、その年度のAI導入補助金は待ち、事業承継促進枠を設備投資に使います
- 承継の翌年度以降なら、後継者の名義でAI導入補助金に申請できます
事業承継・M&A補助金の公募要領は、国の他の補助金と同じか似た内容の事業を対象外にしています。同じソフトや同じ機械を両方の申請に入れると、交付決定が取り消されることがあります。重なる可能性があれば、申請時に別紙で申告します。
もう1つ見落としやすいのが減点です。公募要領は、過去18か月に中小企業庁の補助金で賃上げの加点を受け、未達だった申請者を大幅に減点するとしています。対象にはIT導入補助金も含まれます。親の名義でAI導入補助金の賃上げ加点を取るなら、達成できる範囲にとどめてください。
当社はAI導入補助金の登録支援事業者として、対象ツールの選定から申請に向けた相談・助言、採択後の実績報告まで支援しています。申請書類はお客様が作成し、当社は内容の確認と助言を行います。事業承継・M&A補助金そのものの確認書は、認定経営革新等支援機関に依頼してください。
個人事業主のAI導入補助金の条件は、開業1年未満が対象外になる理由と必要書類で詳しく解説しています。
2026年度の変更点はIT導入補助金2026の個人事業主向けの変更点にまとめました。
個人事業主がつまずく4つの失敗例と避け方
事業承継促進枠で起きる失敗の多くは、申請の前の準備で防げます。公募要領が対象外とする例を、起きること・原因・避け方の順に並べます。
失敗1: 親が白色申告で、申請の段階で外れる 起きること: 書類はそろっても、資格審査で対象外になります。原因は、譲る側が青色申告者であることが要件だからです。避け方は、承継の数年前に青色申告へ切り替えることです。開業届と承認申請から5年の経過も要件なので、切り替えた年から数え直しになる点に注意してください。
失敗2: 交付決定の前に機械を発注してしまう 起きること: その機械の代金は全額が自己負担になります。原因は、契約・発注が交付決定日以降であることが条件だからです。避け方は、見積書だけを先に取り、発注は交付決定の通知を待つことです。
失敗3: 親から買い取る店舗代を経費に入れる 起きること: 経費の大部分が対象外になり、下限の100万円に届かなくなります。原因は、譲る側への支払いが原則として対象外だからです。避け方は、継いだ後に新しく行う設備投資だけで計画を組むことです。
失敗4: のれん分けを事業承継として申請する 起きること: 実質的な事業承継とみなされず、交付決定の後でも対象外になります。原因は、公募要領がのれん分けとフランチャイズ契約を対象外の例に挙げているからです。避け方は、経営権と事業の資産が親から後継者へ実際に移る形にすることです。
使えそうな補助金があるかどうかは、3分の適性診断(無料・8問)で確かめられます。登録なしで、その場で点数が表示されます。
申請を見送るべき場合と、今日やること
承継の相手と時期が決まっていないなら、今回の16次は見送るのが安全です。承継が2031年11月5日までに終わらないと、受け取った補助金を返すことになります。
見送りを考えたいのは、次のような場合です。
- 後継者がまだ決まっていない、または本人の意思が固まっていない
- 予定する設備投資が、小規模事業者で150万円、それ以外で200万円に届かない
- 譲る側が白色申告で、開業から5年の要件を満たせない
当サイトの実測では、「it導入補助金 個人事業主」は平均2.0位に表示されました。それでも直近28日・41回の表示で、クリックは発生していません(自社サイトのSearch Console実測・2026年10月時点)。個人事業主の補助金は、検索結果の要約で「対象かどうか」だけ確かめて終わる人が多いと読めます。事業承継促進枠は、その先の共同申請や確認書で差がつく制度です。
申請すると決めたら、今日できる一歩は認定経営革新等支援機関への連絡です。顧問の税理士か地元の商工会議所に、事業承継計画の確認を頼めるか聞いてください。並行して、GビズIDプライムの有無と、譲る側の開業届の控えを確かめます。
制度の最新情報は事業承継・M&A補助金の事務局サイトで確認できます。小規模な販路開拓が目的なら、持続化補助金の個人事業主の採択率と対策も比べてみてください。
承継の前後でAI導入補助金をどう使うか、要件の確認からご案内します。申請書類はお客様が作成し、当社は内容の確認と助言を行います。
AI導入補助金の無料相談まとめ: 継ぐ前に、2人で申請する
個人事業主の事業承継の補助金は、継ぐ前に親と後継者の2人で申請する制度です。譲る側の青色申告と開業から5年、継ぐ側の親族か3年以上の勤務が入口の条件になります。
16次公募の締切は2026年11月6日17時です。確認書の依頼がいちばん時間のかかる工程なので、まず税理士か商工会議所に連絡してください。
AI導入補助金は、親の名義のうちに使うか、後継者の開業の翌年度以降に使うかを決めてから動きます。同じ経費を2つの補助金に入れないことも忘れないでください。

