IT導入補助金2026(正式名称は「デジタル化・AI導入補助金2026」)は、個人事業主も対象です。開業から1年以上が経過し、業種ごとの従業員数基準を満たせば、法人と同じ条件で申請できます。本記事では、2026年度の名称と申請枠の整理、直近の採択状況を解説します。あわせて個人事業主が用意する書類、GビズID取得から交付決定までの流れも2026年9月時点の情報でまとめます。
※ 2026年9月時点の情報です。申請枠・補助額は公募回次で更新されるため、申請前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事でわかること
- 2026年度の名称と申請枠がどう変わったか
- 直近の採択状況と申請スケジュールの考え方
- 個人事業主が使える4つの申請枠と補助上限額
- 個人事業主が用意する書類とGビズID取得の流れ
2026年度で名称と申請枠はどう変わった?
旧称のIT導入補助金は、2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」として運用されています。検索する語は変わっていなくても、制度の呼び方は年度ごとに更新されています。
関連して、IT導入補助金のおすすめの選び方もあわせてご確認ください。
私たちは登録支援事業者として、個人事業主から「IT導入補助金とデジタル化・AI導入補助金2026は別物ですか」という質問を受けます。名称が変わっただけで、制度としての連続性は保たれています。検索結果で情報を探すときは、旧称のまま情報が止まっている記事に注意してください。
個人事業主にとって大事なのは、名称よりも自分が対象になるかどうかと、どの枠を選ぶかです。対象要件そのものの詳しい条件は個人事業主のAI導入補助金で解説しています。次の章から、2026年度の状況を順に整理します。
2026年度の申請スケジュールと次の締切
申請は年に複数回の締切が設定され、回次ごとに予算と採択率が変わります。直近の2026年9月公表分では、申請5,913者のうち2,601者が採択されました。
中小企業庁が2026年9月3日に公表した3次締切分の採択結果によると、全体の採択率は44.0%でした。枠別では通常枠42.2%、インボイス対応類型44.7%、セキュリティ対策推進枠72.2%です。
当サイトの実測では、「it導入補助金 会計ソフト」は平均23.6位で25回表示されました。1ページ目に届くまではクリックがほとんど発生しません。情報収集と同じく、申請の準備も早く動いた事業者から有利になります。
次回の締切日は回次ごとに個別に公表されます。比較サイトや古い記事の締切情報をそのまま信じると、間に合わなくなるおそれがあります。公式サイトの公募要領で最新の日程を確認してください。
申請全体の流れをまとめて把握したい場合は、AI導入補助金の申請のやり方|受給までの5ステップを解説を参考にしてください。
締切は1年のうちに複数回設定されますが、回次が進むほど後半の枠は予算の残りが少なくなる傾向があります。早い回次で準備が間に合わない場合も、次の回次を待つ間にGビズID取得や書類準備を先に終わらせておくと、実際の申請時に慌てずに済みます。個人事業主は法人よりも準備に使える人手が限られるため、この前倒しが特に効きます。
採択結果は回次ごとに公表され、枠別の採択率も併記されます。同じ制度でも枠によって採択率が大きく異なるため、通りやすさだけで枠を選ぶのではなく、自分が導入したいツールの種類に合う枠かどうかを優先して判断してください。数字だけを見て枠を決めると、実際の業務に合わないツールを選んでしまうことがあります。
個人事業主が使える申請枠と補助上限額
個人事業主は、法人と同じ4つの申請枠から選べます。通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠のうち、導入したいツールに合う枠を先に決めることが重要です。

| 申請枠 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2以内(一定条件で2/3以内) | 5万円〜450万円 |
| インボイス枠 | 3/4〜4/5(小規模事業者は50万円以下部分が4/5) | 350万円 |
| セキュリティ対策推進枠 | 中小1/2以内・小規模2/3以内 | 5万円〜150万円 |
| 複数者連携枠 | 単独申請より補助率が引き上げ | 連携内容により変動 |
会計・受発注ソフトを導入したい個人事業主にはインボイス枠が候補になりやすく、詳しい機能要件は会計ソフトの補助金|個人事業主が使える2つの枠と補助率で解説しています。
パソコン購入とあわせて検討したい場合はIT導入補助金のパソコン購入も参考にしてください。
そもそも自分が対象になるかどうかの従業員数基準は、IT導入補助金の中小企業とは?にまとめています。多くの個人事業主は、業種を問わずこの基準を自然に満たします。
枠ごとの試算例はAI導入補助金はいくらもらえる?3つの枠の上限額と計算例も参考になります。
複数者連携枠は、商店街やサプライチェーンでつながる複数の事業者が共同でツールを導入する場合の枠です。個人事業主が単独で使う場面は少ないものの、取引先が同じ会計・受発注システムへの統一を進めている場合は候補になります。単独申請より補助率が引き上げられる代わりに、連携先との導入計画のすり合わせが必要です。
枠を決める前に迷ったら、まず自分がどの業務に一番時間を取られているかを書き出してください。会計・請求書まわりならインボイス枠、サイバー攻撃対策を優先するならセキュリティ対策推進枠が候補になりやすいというのが、相談の現場でよく使う目安です。
セキュリティ対策推進枠は、IPA(情報処理推進機構)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、かつIT導入支援事業者が登録したサービスに限られます。対象範囲が狭い分、要件を満たせば採択率は他の枠より高い傾向があります。
枠のあたりをつけたら、次にツール・IT導入支援事業者検索で対象ツールとして登録済みかどうかを確認します。個人事業主が1人で運用することを前提に、複数の業務を1本のツールでまとめられるかを基準にすると、入力の二重作業を減らせます。登録の有無を確認せずに契約を進めてしまうと、後から対象外だったと判明する遠回り。
個人事業主に必要な書類とGビズID取得
個人事業主が用意する書類は、身分証明書・所得税納税証明書・確定申告書Bの控えの3点です。法人が用意する登記簿謄本とは種類が異なります。
書類とあわせて必要なのがGビズIDプライムです。発行までに約2〜3週間かかるため、書類の準備と並行して早めに着手してください。簡易版のエントリーでは申請できません。早めの着手が、全体スケジュールを左右する分岐点。
開業から日が浅い場合は、確定申告書の控えが用意できず対象外になることがあります。「1年未満は対象外」という個人事業主特有の壁については、個人事業主のAI導入補助金|開業1年未満は対象外?条件を解説で必要書類とあわせて詳しく解説しています。
交付決定までの流れと発注のタイミング
申請は、GビズID取得・支援事業者選定・交付申請・交付決定後の発注という4ステップで進みます。流れ自体は2026年度も変わりません。

最初にGビズIDを取得したら、次は対象ツールを扱う支援事業者を選びます。支援事業者は交付申請の事業計画書を共同で作成する相手なので、同業種での実績や個人事業主の申請経験があるかを確認してから選ぶと安心です。
交付決定の通知が届く前に発注・契約・支払いを済ませると、補助対象から外れます。この順番は個人事業主でも法人でも共通のルールです。交付決定後にツールを発注し、導入と支払いが終わったら実績報告に進みます。書き方はAI導入補助金の実績報告の書き方で解説しています。
対象ツールが登録済みかどうかは、事前にツール・IT導入支援事業者検索で確認できます。ベンダー側の登録状況を見落とすと、選んだツールが対象外だったという遠回りにつながります。詳しくはベンダー登録とは?IT導入補助金の確認方法と2つのリスクにまとめました。
個人事業主が申請で注意すべき失敗例
個人事業主の申請でつまずきやすいのは、旧称のままの情報を信じること、GビズID取得の遅れ、交付決定前の発注の3パターンです。制度の複雑さより、準備の順番のミスが原因になっています。

当社はAI導入補助金の登録支援事業者として、対象ツールの選定から申請書類の作成、採択後の実績報告まで一貫して支援しています。2025年4月〜2026年3月に申請を支援した30社のうち25社が採択されました(採択率83.3%)。制度名の変更に気づかず、旧称のままの情報で準備を進めていた個人事業主の相談も何度か受けています。
私も相談の現場で、GビズIDの取得を後回しにして締切に間に合わなかった個人事業主の方を見てきました。書類とIDの準備は、ツール選びより先に着手するのが安全です。
もう一つ見落としやすいのが、見積書や契約書の宛名です。屋号だけを記載し、代表者個人の氏名を省略した見積書を提出し、後から訂正を求められるケースもあります。申請の名義は屋号ではなく個人事業主本人の氏名のため、身分証明書・納税証明書・確定申告書のすべてで氏名の表記が一致しているかを提出前に確認してください。
2020年3月の創業から2026年9月までに、のべ50社以上の導入を支援してきました。制度名や枠が変わっても、書類とスケジュールを先に整える基本は変わりません。迷ったときは、1人で判断せず支援事業者に相談することが遠回りを避ける近道です。
相談を受ける中で多いのが、「去年調べたときの情報のまま止まっていた」という声です。実際に、開業1年未満を理由に前年度は申請を諦めた個人事業主から、1年が経過したタイミングで改めて相談を受けたこともあります。
名称や枠は毎年度見直されるため、前年度に検討して見送った個人事業主も、2026年度版の情報で条件を確認し直す価値があります。対象になる条件が新たに整っている可能性があるので、あきらめずに確認し直してください。
まとめ: 2026年度は名称の変更点を先に確認する
IT導入補助金2026は、正式には「デジタル化・AI導入補助金2026」という名称で運用されています。個人事業主も法人と同じ条件で、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠の4つから選べます。
まずは旧称のままの情報で準備を進めていないかを確認し、公式サイトの最新の公募要領で申請枠と締切を確かめてください。そのうえで身分証明書・納税証明書・確定申告書控えを早めに揃え、GビズIDプライムの取得に着手すると、スケジュールに余裕を持って進められます。
私たちは登録支援事業者として、法人だけでなく個人事業主・フリーランスの申請にも数多く伴走してきました。制度名や枠が変わっても、書類とGビズIDの準備を早めに整える基本は同じです。名称や枠で迷ったときは、1人で判断せず早めにご相談ください。
