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IT導入補助金の条件|申請額150万円で変わる賃上げ要件と対象外

公開: 2026年10月6日執筆: 原口優(代表取締役)読了目安: 10分
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本記事は2026年10月時点の情報です|この記事はIT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)を使ってITツールやAIツールを導入したい中小企業の経営者と、個人事業主向けです。自社が申請の条件を満たすか、何を約束することになるかを確かめたい方に向けて書いています。向けです

IT導入補助金の条件は、申請額が150万円を超えるかどうかで大きく変わります。150万円未満なら、規模の基準とID取得など5つの必須条件をそろえれば申請できます。150万円以上になると、給与を年3%以上伸ばす計画と、従業員への表明が加わります。

IT導入補助金の条件は、申請額が150万円を超えるかどうかで大きく変わります。150万円未満なら、規模の基準とID取得など5つの必須条件をそろえれば申請できます。150万円以上になると、給与を年3%以上伸ばす計画と、従業員への表明が加わります。

制度名は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に改称されました。本記事では、公募要領(通常枠・2026年8月28日改訂版)の原文をもとに、条件を3種類に分けて整理します。

この記事は、IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)を使ってITツールやAIツールを導入したい中小企業の経営者と、個人事業主向けです。自社が申請の条件を満たすか、何を約束することになるかを確かめたい方に向けて書いています。

※ 2026年10月時点の情報です。条件は公募要領の改訂で変わるため、申請前に事務局サイトで最新版を確認してください。

この記事でわかること

  • 申請額に関係なく必須の5つの条件
  • 申請額150万円以上で加わる賃上げの条件と返還のルール
  • 過去に受給した事業者だけにかかる追加条件
  • 条件を満たしても対象外になる事業者

申請の条件は事業者・手続き・事業計画の3種類

IT導入補助金の条件は、事業者の条件・手続きの条件・事業計画の条件の3種類に分かれます。3種類すべてを満たして、はじめて交付申請を出せます。

IT導入補助金の申請の条件3種類: 事業者の条件、手続きの条件、事業計画の条件
申請の条件は3種類

事業者の条件は、会社の規模・業種と、対象外の項目に当たらないことです。手続きの条件は、GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言の2つ。事業計画の条件は、労働生産性と賃上げの目標を3年分立てることです。

3種類のうち、検索で調べやすいのは事業者の条件です。当サイトの実測では、「it導入補助金 個人事業主」は平均2.0位に表示されました。それでも38回の表示でクリックは発生していません(自社サイトのSearch Console実測、直近28日、2026年10月時点)。

「個人事業主も対象か」という問いは、検索結果の画面で答えが済んでいると考えられます。私たちはこの数字から、読者が本当に迷うのは規模より後の条件だと読んでいます。

IT導入補助金の条件とは、交付申請を出すために申請者が満たすべき要件のことです。公募要領の「申請の対象となる事業者及び申請の要件」と「申請の対象外となる事業者」の2か所に書かれています。

一方で、申請の手前で止まりやすいのは事業計画の条件です。私たちはAI導入補助金の登録支援事業者として、対象ツールの選定から申請書類の作成、採択後の実績報告まで一貫して支援しています。相談の場で時間がかかるのは、規模の確認よりも、賃上げを約束できるかどうかの判断です。

申請できる事業者の条件は?資本金・従業員数と個人事業主

申請できるのは、業種ごとの資本金か従業員数のどちらかが基準内の中小企業と、個人事業主です。医療法人・社会福祉法人・NPO法人なども、従業員数の基準内なら対象になります。

主な業種の基準を表にまとめました。出典はデジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)です。

業種 資本金の基準 従業員数の基準
製造業・建設業・運輸業 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業(ソフトウェア・情報処理・旅館業を除く) 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
医療法人・社会福祉法人 基準なし 300人以下

資本金と従業員数は、どちらか一方が基準内であれば中小企業に当たります。個人事業主は、業種を問わず対象です。

従業員数に数えるのは「常時使用する従業員」で、会社役員と個人事業主本人は含みません。業種ごとの細かい区分と、小規模事業者の基準はIT導入補助金の中小企業とは?業種別4区分の資本金・従業員数で解説しています。

規模の条件にもう1つ前提があります。製品やサービスを生産・提供する事業を営んでいることです。導入するITツールも、その生産性向上に役立つものでなければなりません。

申請額に関係なく必須の5つの条件

申請額にかかわらず、国内での事業・最低賃金以上の賃金・GビズIDプライム・SECURITY ACTION・生産性3%の計画の5つが必須です。1つでも欠けると交付申請を出せません。

申請額に関係なく必須の5条件: 国内で登記・事業を営んでいる、事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上、GビズIDプライム取得済み、SECURITY ACTION宣言、労働生産性を年3%以上伸ばす3年計画
申請額に関係なく必須の5条件
条件 中身 確認する書類・場所
国内での事業 国内で法人登記し、国内に本社と事業の実施場所がある(個人は実施場所) 履歴事項全部証明書・確定申告書の控え
最低賃金 交付申請の直近月に、事業場内の最低賃金が地域別最低賃金以上 賃金台帳
GビズIDプライム 申請マイページの開設に使う GビズIDのサイト
SECURITY ACTION IPAの「一つ星」か「二つ星」を宣言する IPAの宣言サイト
労働生産性の計画 1年後に3%以上、3年間の年平均で3%以上伸ばす 事業計画(支援事業者と作る)

5つのうち、時間を読みにくいのはGビズIDプライムです。マイナンバーカードを使うオンライン申請なら最短即日ですが、書類申請は審査に最大1か月かかります。手順はAI導入補助金のGビズID取得方法|プライム取得の5つの手順にまとめています。

SECURITY ACTIONは、IPAのSECURITY ACTIONのページから宣言できます。一つ星でも条件は満たせます。二つ星との違いはAI導入補助金のセキュリティアクション二つ星|宣言5ステップで比べています。

労働生産性は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷年間の総労働時間」で計算します。この目標値は、条件であると同時に審査の評価項目でもあります。根拠のない高い数字を置くより、ツールで減る作業時間から積み上げた数字のほうが説明が通ります。

旧制度で求められた「みらデジ経営チェック」は、2026年の公募要領の条件にありません。みらデジは2025年3月31日に終了しています。代わりに「IT戦略ナビwith」の実施が加点項目に入っています。

申請額150万円以上で加わる賃上げの条件

補助金の申請額が150万円以上になると、給与の伸びと事業場内最低賃金の引上げを3年間約束する条件が加わります。約束は交付申請の時点で従業員に表明していなければなりません。

通常枠の補助額は、業務プロセスが1つ以上なら5万円〜150万円未満、4つ以上なら150万円〜450万円以下です。補助率はどちらも1/2以内です。最低賃金に近い水準で雇う従業員が多い事業者は、2/3以内に上がります。

項目 申請額150万円未満(初めての申請) 申請額150万円以上(初めての申請)
業務プロセスの数 1つ以上 4つ以上
1人当たり給与支給総額 条件なし(約束すれば加点) 年平均3%以上の伸び
事業場内最低賃金 条件なし(約束すれば加点) 地域別最低賃金+30円以上
従業員への表明 条件なし 交付申請の時点で必要

給与支給総額は、非常勤を含む全従業員の給与を人数で割った額で見ます。最低賃金の目標は、事業場内で最も低い時給を地域別最低賃金より30円以上高く保つことです。

注意: 賃上げの目標が未達なら返還
事業場内最低賃金の目標が未達の場合、補助金の全部か一部を返還します。1年度目の未達は全額、2年度目は2/3、3年度目は1/3です。給与支給総額の目標が3年目に未達の場合も、全額の返還を求められることがあります。

返還には例外があります。付加価値額が伸びず、3年間の過半数で営業利益が赤字だった場合や、天災など事業者の責任でない理由がある場合です。ただし、この例外を当てにして計画を立てるのは危険です。

公募要領には、150万円以上の条件を満たせる事業者でも、申請額を自分で150万円未満に抑えてよいと明記されています。賃上げを3年間約束できない年は、申請額を150万円未満に抑えて申請するという選び方ができます。

いくら受け取れるかの計算例はAI導入補助金はいくらもらえる?3つの枠の上限額と計算例で示しています。

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過去に交付決定を受けた事業者の追加条件

IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、申請額150万円未満でも、給与を年平均3.5%以上伸ばす計画と表明が必須です。初めての申請者より条件が1段重くなります。

2026年の主な変更点がここです。過去に受給した事業者は、申請額によって次のように変わります。

申請額 給与支給総額の伸び 事業場内最低賃金 従業員への表明
150万円未満 年平均3.5%以上 条件なし 必要
150万円以上 年平均3.5%以上 地域別最低賃金+30円以上 必要

3.5%は、日本銀行の「物価安定の目標」に1.5%を足した数字です。労働生産性の目標も、2023〜2025年の一部の枠で交付決定を受けた事業者は4%以上に上がります。

例外もあります。保険医療機関・保険薬局、介護保険の事業者、社会福祉事業者、学校教育法の学校は、賃上げの条件が適用されません。クリニックや介護事業所が申請する場合は、まず自院がこの例外に当たるかを確かめてください。

条件を満たしても対象外になる事業者

規模の基準内でも、大企業の子会社・直近3年の課税所得の平均が15億円超・風俗営業などに当たる事業者は対象外です。公募要領の「申請の対象外となる事業者」に、11の項目が並んでいます。

主な項目は次のとおりです。

  • 同じ大企業が株式の1/2以上を持つ、または大企業が合計で2/3以上を持つ(みなし大企業)
  • 大企業の役員・職員を兼ねる人が、役員の1/2以上を占める
  • 確定した直近3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える
  • 風俗営業等の規制法で定める営業を営む(旅館業の許可を受けた一部を除く)
  • 宗教法人、法人格のない任意団体
  • 過去1年に労働関係法令の違反で送検処分を受けた
  • 今年度のIT導入支援事業者として登録している、または登録しようとしている

見落としやすいのが「みなし同一法人」です。親会社が議決権の50%超を持つ子会社や、同じ個人が50%超を持つ複数の会社は、まとめて1社とみなされます。グループで申請できるのは1社だけです。

申請回数にも制限があります。通常枠の交付申請は、1法人・1個人事業主あたり1回です。不採択になった場合は、次の締切回に申請し直せます。

条件の確認でつまずく3つの失敗例

失敗の多くは条件を知らないことではなく、条件を確かめる時期と順番の誤りから起きます。次の3つは、起きたこと・原因・避け方をそろえて書きます。

失敗例1: 申請額が150万円を超えてから賃上げ条件に気づく。見積もりを積み上げた結果、業務プロセスが4つになり、申請額が150万円以上になります。その時点で、従業員への表明が間に合わないと分かります。原因は、ツールの見積もりを先に固めたことです。避けるには、見積もりの前に「賃上げを3年約束できるか」を決めてください。

失敗例2: 過去に受給した会社が初回の条件で計画を立てる。数年前にIT導入補助金を使ったことを忘れ、150万円未満なら賃上げは不要だと考えます。実際は、年平均3.5%以上の計画と表明が必須です。避けるには、過去の交付決定の有無をグループ会社も含めて先に確かめてください。

失敗例3: GビズIDプライムが締切に間に合わない。ツールも計画も決まったのに、書類申請したIDの審査待ちで申請マイページを開けません。原因は、IDの取得を最後に回したことです。避けるには、補助金を使うと決めた日にIDの申請を出してください。

注意: 交付決定前の契約・発注はNG
条件をすべて満たしていても、交付決定の前にITツールを契約・発注すると補助の対象になりません。交付決定の通知を受けてから契約してください。

条件を満たしたうえで審査に落ちる理由は、AI導入補助金の不採択理由|審査で落ちる6つのパターンにまとめています。

申請の要件に自社が当てはまるかは、3分の適性診断(無料・8問)で確かめられます。登録なしで、その場で点数が表示されます。

条件の確認から賃上げ計画の立て方、申請書類の準備まで伴走します。

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自社の状況別に見る準備の順番

準備の順番は、規模と対象外の確認、IDと宣言、申請額の決定、賃上げ計画、交付申請の5段階です。自社の状況によって、どこから手を付けるかが変わります。

IT導入補助金の条件を満たすまでの準備の順番: 規模と対象外を確認、IDと宣言を済ませる、申請額を決める、賃上げ計画を決める、交付申請する
条件を満たすまでの準備の順番

状況ごとの判断を表にしました。

自社の状況 判断 今日やること
初めての申請で、賃上げを3年約束できる 150万円以上も選べる 業務プロセスを4つ以上で見積もる
初めての申請で、賃上げを約束できない 150万円未満で申請する 補助額が150万円未満に収まる見積もりにする
2022〜2025年に受給したことがある 3.5%の計画が必須 給与総額の過去3年の推移を出す
医療・介護・福祉・学校の事業者 賃上げ条件の例外を確認 保険医療機関などの指定を確かめる
GビズIDプライムが未取得 取得方法で締切に間に合うかが決まる マイナンバーカードでオンライン申請する

締切の目安も確かめておきます。事務局のスケジュールでは、通常枠の6次締切は2026年10月30日(金)17時で、交付決定は12月10日の予定です。7次以降の日程は、2026年10月6日時点で公表されていません。

申請をやめたほうがよい場合もあります。導入したい業務がまだ決まっていない場合や、3年間の効果報告に対応できる担当者がいない場合です。補助金のためにツールを選ぶと、導入後に使われず、報告の段階で困ります。

申請全体の流れはAI導入補助金の申請のやり方|受給までの5ステップを解説で順に追えます。

まとめ: 条件は申請額を決める前に確かめる

IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)の条件は、事業者・手続き・事業計画の3種類です。全員に必須なのは、国内での事業・最低賃金以上の賃金・GビズIDプライム・SECURITY ACTION・生産性3%の計画の5つ。申請額が150万円以上になると、給与を年平均3%以上伸ばす計画と従業員への表明が加わります。

最初に決めるのは、ツールではなく「賃上げを3年約束できるか」です。約束できるなら150万円以上も選べます。約束できないなら、申請額を150万円未満に抑えてください。

過去に受給した事業者は、150万円未満でも3.5%の計画が必須になります。今日できる一歩は、GビズIDプライムの有無と、過去の交付決定の有無を確かめること。この2つが分かれば、どの条件の表に当てはまるかが決まります。

よくある質問

IT導入補助金は個人事業主でも条件を満たせますか?
満たせます。国内に事業の実施場所があり、規模の基準内で、5つの必須条件をそろえれば申請できます。
賃上げを約束できない場合はIT導入補助金を申請できませんか?
申請額を150万円未満にすれば、初めての申請なら賃上げは必須ではありません。加点の対象になるだけです。
賃上げの目標を達成できなかったらどうなりますか?
補助金の全部または一部の返還を求められます。赤字が続いた場合や天災など、返還を求めない例外もあります。
条件を満たしているか自分だけで確認できますか?
規模・対象外・IDの有無は自分で確認できます。賃上げや生産性の計画は、支援事業者と数字を詰めてください。
条件を満たせば必ず採択されますか?
いいえ。条件は申請の入口で、採択は事業計画の審査で決まります。加点項目の有無も結果に影響します。
今から準備して2026年の締切に間に合いますか?
6次締切は10月30日17時です。GビズIDプライムが未取得なら、最短即日のオンライン申請を今日出してください。

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SUPERVISED BY|この記事の監修者
原口優
原口 優|セブンセンシズ株式会社 代表取締役
大阪・東成区のデジタルマーケティング&AI導入支援会社の代表。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の申請を、GビズIDの取得から実績報告まで伴走支援。MEO事業「G-ran」運営。AI導入補助金の申請実務・採択ノウハウを毎日発信しています。