小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>の個人事業主向け採択率は、第19回(2026年7月29日発表)で47.2%でした。申請16,576件のうち7,819件が採択され、直近5回は37.2%〜51.0%の範囲で推移しています。個人事業主が対象になるかどうかは業種ごとの従業員数で決まります。本記事では採択率の推移、対象条件、採択率を上げる書類作成の方法を2026年8月時点のデータで整理します。
※ 2026年8月時点の情報です。
この記事でわかること
- 小規模事業者持続化補助金の最新採択率
- 個人事業主が対象になる従業員要件
- 採択率が回ごとに変わる理由
- 採択率を上げる書類作成のポイント
小規模事業者持続化補助金の採択率は47.2%(第19回実績)
第19回の採択率は47.2%で、申請16,576件のうち7,819件が採択されました。数字だけを見ると厳しく感じますが、傾向を知れば対策は立てられます。
実際の進め方については、小規模事業者持続化補助金|美容室の書き方4ステップにまとめています。
対象になる範囲については、小規模事業者持続化補助金2025|建設業の対象条件と経費にまとめています。
対象になる範囲は、小規模事業者持続化補助金|飲食店で対象になる4つの投資で解説しています。
選ぶときの基準は、小規模事業者持続化補助金は中小企業も対象|3制度の使い分けで解説しています。
採択率は制度開始当初の第1回で90.9%でした。補助金ポータルの分析記事によると、申請数の増加とともに水準は下がり続けています。
直近5回では、第15回41.8%、第16回37.2%、第17回51.0%、第18回48.1%、第19回47.2%と幅があります。1回の数字だけで判断せず、複数回の傾向をあわせて見ておくと安心です。
中小企業庁の採択発表は公募回ごとに更新されます。申請前には必ず最新の数字を確認してください。
小規模事業者持続化補助金は、事業所の所在地によって「商工会議所地区」と「商工会地区」のどちらかで申請します。採択率は地区ごとに別々に算出されるため、公表される数字が地域によって多少異なる場合があります。自分の事業所がどちらの管轄か、事前に商工会議所・商工会へ確認しておくと、正しい採択率の推移を追いやすくなります。
個人事業主は対象になるのか|従業員数の要件
個人事業主も、業種ごとの従業員数の要件を満たせば小規模事業者持続化補助金の対象です。法人か個人かでは判断されません。
関連して、運送業の実績報告書|傭車の契約名義とデジタコ対応の壁もあわせてご確認ください。

| 業種区分 | 従業員数の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 | 個人事業主も同じ基準 |
| 宿泊業・娯楽業 | 20人以下 | 一般的なサービス業より緩やか |
| 製造業その他(建設業・運送業等を含む) | 20人以下 | 法人と同じ扱い |
常時使用する従業員数がこの範囲内であれば、開業したばかりの個人事業主でも申請できます。アルバイト・パートの数え方には例外があるため、迷う場合は商工会・商工会議所へ事前に確認してください。
開業から1年未満の個人事業主は、確定申告書の控えがまだ無いケースがあります。その場合は開業届や事業計画書で事業の実態を示す方法があるため、書類が足りないからと申請をあきらめる前に、管轄の商工会・商工会議所へ相談してみてください。複数の事業所を持つ場合は、主たる事業所の所在地で申請する点にも注意が必要です。
採択率が公募回ごとに変わる3つの理由
採択率が回ごとに変わるのは、申請件数・予算配分・審査基準の3つが毎回変化するためです。同じ制度でも回によって難易度が違います。
関連して、AI導入補助金の不採択理由|審査で落ちる6つのパターンもあわせてご確認ください。 - 申請件数の増減: 第17回は23,365件と過去最多で、採択率は51.0%まで戻りました - 予算配分の変化: 公募回ごとに採択予定件数が事務局から示されます - 審査基準の見直し: 加点項目や様式が改訂されると、書類の質による差が出やすくなります
申請件数が多い回ほど競争率は上がります。逆に申請が少ない回は、同じ書類の質でも採択されやすくなる傾向があります。
公募のタイミングによっても状況は変わります。年度の前半に実施される回は予算に余裕があることが多く、年度後半になるほど残りの予算枠が少なくなりがちです。「いつ申請するか」も、採択率に影響する要素のひとつだと考えておいてください。次回の公募が発表されたら、締切までの期間だけでなく、その年度で何回目の公募かも確認しておくと、全体の状況をつかみやすくなります。
採択の合否を決める基礎審査・計画審査・加点審査の違い
採択の可否は、基礎審査・計画審査・加点審査という3段階の審査で決まります。どの段階で評価されるかによって対策が変わります。
基礎審査は、必要書類がそろっているか、様式どおりに記入されているかを確認する形式チェックです。ここで不備があると、内容の良し悪しに関わらず不採択になります。
基礎審査は形式チェックのため、記入漏れや様式違反があるとその時点で不採択になります。
計画審査では、経営状況の分析が的確か、目標と補助事業の内容が噛み合っているか、販路開拓の具体策が実現可能かという3点が見られます。加点審査では、賃上げや事業承継など該当する加点項目が採点に反映されます。私も相談の現場で、基礎審査の不備を指摘されて差し戻しになった個人事業主の方を何人も見てきました。
計画審査の配点は基礎審査より大きいため、事業計画書の中身に時間をかける価値があります。現状分析が浅いまま「売上を伸ばしたい」とだけ書いても、審査員には強みが伝わりません。自分の事業の強み・弱みを数字で示してから、補助事業の内容につなげる順番を意識してください。
個人事業主が採択率を上げる書類作成の3ステップ
採択率を上げる近道は、数値目標の明記、加点項目の選択、事前の商工会相談の3ステップです。順番に進めれば、初めての申請でも対応できます。
ステップ1: 売上目標を数値で明記する
「売上を伸ばす」ではなく、「客単価を1,000円上げる」「新規顧客を月10件増やす」のように、数値と時期を明記します。抽象的な表現は計画審査で評価されにくくなります。
ステップ2: 加点項目を2種類まで組み込む
賃上げや経営力向上計画など、該当する加点項目を漏れなく選択します。中小企業診断士事務所の解説記事でも、加点項目の活用が採択率を左右すると指摘されています。
ステップ3: 提出前に商工会・商工会議所でチェックを受ける
事業計画書は、提出前に商工会・商工会議所の窓口で確認してもらうと、基礎審査の不備を防ぎやすくなります。締切の1〜2ヶ月前から相談を始めるのが目安です。
個人事業主が不採択になりやすい3つのパターン
個人事業主が不採択になりやすいのは、書類不備・目標の抽象化・加点未活用の3パターンです。どれも事前の準備で防げます。

具体的な数値がないまま提出された事業計画書は、計画審査で伸び悩みやすくなります。私たちは登録支援事業者として、こうした相談を何度も受けてきました。
もう一つの落とし穴は、該当する加点項目があるのに選択し忘れることです。加点項目は自己申告制のため、事務局側から教えてもらえるわけではありません。申請前のチェックリストに加点項目を組み込んでおくと、選び忘れを防げます。
3つ目のパターンは、他社の申請書をそのまま真似てしまうことです。業種やサービス内容が違えば、伝わる強みも変わります。自分の店舗・事業の具体的な数字やエピソードを盛り込むほうが、審査員には実現可能性が伝わりやすくなります。
加点項目を使って採択率を底上げする方法
加点項目は最大2種類まで選べ、賃上げ加点や経営力向上計画加点が代表的です。該当する項目を漏れなく選ぶだけで評価が上がります。
- 賃金引上げ加点: 一定の賃上げ計画を示すと加点されます
- 経営力向上計画加点: 経営力向上計画の認定を受けていると加点されます
- 事業承継加点: 一定年齢以上の代表者が承継を予定していると加点されます
加点項目は年度ごとに内容が見直されます。申請する回の公募要領で、最新の加点項目を必ず確認してください。
申請から採択発表までの流れとスケジュール
申請から採択発表までは、公募開始から結果通知までおよそ4〜5か月かかります。逆算してスケジュールを組むと余裕を持てます。

第19回は2026年1月28日に公募要領が公開され、4月30日に締切、7月29日に採択発表という流れでした。小規模事業者持続化補助金の公式サイトで、次回公募の最新スケジュールを確認できます。
個人事業主がAI・IT導入補助金と迷う場合は、個人事業主のAI導入補助金|開業1年未満は対象外?条件を解説もあわせて確認してください。制度ごとの対象条件を比較すると、自分に合う制度が見つかりやすくなります。
給付金と補助金の違いから知りたい方は、個人事業主の給付金・補助金|申請方法と使える4つの制度を参考にしてください。採択後の実績報告の進め方は実績報告書の書き方にまとめています。
申請書類の準備でつまずきやすいポイントは制度を問わず共通する部分があります。AI導入補助金の申請に失敗する5つの原因と対策も参考になります。
採択後に個人事業主が気をつけたい2つのポイント
採択後は、交付決定前の発注を避けることと、経費を事業用の口座で管理することの2点が重要です。採択されたあとの動き方で、実績報告の負担が変わります。
交付決定の通知が届く前に契約・発注・支払いをすると、補助対象から外れてしまいます。この順番は法人でも個人事業主でも共通のルールです。焦って先に発注しないよう、通知が届くまで待ってください。
個人事業主は、事業用とプライベートの口座・財布を分けていないケースが少なくありません。実績報告では経費ごとの領収書や請求書を提出するため、採択が決まった時点で経費を事業用の口座に一本化しておくと、あとの証拠書類の整理が格段に楽になります。日頃の確定申告用の帳簿づけと同じ感覚で、支払いのたびに記録を残す習慣をつけておいてください。
まとめ: 小規模事業者持続化補助金の採択率を味方につける
小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>の採択率は、第19回で47.2%でした。制度開始当初の90.9%からは下がったものの、直近5回は37.2%〜51.0%の範囲を保っています。個人事業主も、業種ごとの従業員要件を満たせば法人と同じ条件で申請できます。
採択率の数字に不安を感じるより、基礎審査・計画審査・加点審査それぞれで打てる対策を積み重ねるほうが、結果につながります。数値目標の明記、加点項目の選択、商工会での事前チェックの3つは、今日からでも準備できます。
私たちは登録支援事業者として、法人だけでなく個人事業主の申請にも数多く伴走してきました。書類作成や制度選びで迷ったときは、1人で抱え込まず早めに相談してください。公募要領は回ごとに更新されるため、申請の直前には必ず最新版を確認してください。
1人で事業を営む個人事業主ほど、申請書類の作成に割ける時間は限られています。採択率の推移を把握したうえで、早めに準備を始めることが、結果的に一番の近道になります。次の公募が発表されたら、まずは対象条件の確認から始めてください。
