創業支援等事業者のセミナーを修了し、市区町村から「特定創業支援等事業」の証明書を受けた個人事業主は、小規模事業者持続化補助金<創業型>に申請できます。補助上限は200万円(インボイス特例で250万円)、補助率は2/3です。第4回は開業日と支援を受けた日が2025年12月15日〜2026年12月15日に入っていることが条件で、申請は2026年11月5日から12月15日までです。
※ 2026年9月時点の情報です。公募回ごとに条件が変わるため、申請前に最新の公募要領を確認してください。
この記事でわかること
- 証明書で申請できる補助金と、その金額
- 補助金以外に受けられる3つの優遇
- 第4回の対象期間と締切の日付
- 開業時期で分かれる制度の選び方
特定創業支援等事業の証明で使える補助金は持続化補助金の創業型
特定創業支援等事業の証明書が申請条件になっている国の補助金は、小規模事業者持続化補助金<創業型>です。証明書が無いと、この枠には申請できません。
創業型は、開業から間もない小規模事業者の販路開拓を支える枠です。一般型(通常枠)の上限は50万円ですが、創業型は200万円まで広がります。
| 項目 | 創業型 | 一般型(通常枠) |
|---|---|---|
| 補助上限 | 200万円(インボイス特例で250万円) | 50万円 |
| 補助率 | 2/3 | 2/3 |
| 証明書 | 必須 | 不要 |
| 開業時期 | 対象期間内の開業が必須 | 問わない |
私たちは登録支援事業者として補助金の申請を支援しています。開業直後の個人事業主から「セミナーは出たが、何に使えるか分からない」という相談を受けることが少なくありません。証明書は取っただけでは1円にもならず、申請の締切から逆算して使う書類です。
特定創業支援等事業とは|証明書をもらえる4分野と回数
特定創業支援等事業とは、経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野を、1か月以上かけて4回以上学ぶ継続的な創業支援です。4分野すべてを受けて、初めて証明書の対象になります。
1回きりの説明会や、2回だけの個別相談は対象になりません。大阪市の案内ページでは、「4回以上かつ1か月以上の継続的な支援」が条件と明記されています。
大阪市の場合、対象者は次の3つのいずれかです。
- これから創業しようとする方
- 事業を開始して5年を経過していない個人事業主・法人の代表者
- 個人事業主として開業した後に法人成りした法人の代表者
すでに開業している個人事業主も受講できます。ただし、補助金の創業型には後で触れる「対象期間」があります。受講できることと、補助金に使えることは別の条件です。
証明書を発行するのは、セミナーを開いた団体ではなく市区町村です。修了後に、市区町村の窓口へ証明書の交付を申し込みます。
証明書で受けられる補助金以外の優遇3つ
証明書には、補助金のほかに登録免許税の軽減・信用保証の前倒し・日本政策金融公庫の特別利率という3つの優遇があります。補助金に間に合わなくても、取る価値は残ります。

| 優遇 | 内容 | 個人事業主が使う場面 |
|---|---|---|
| 登録免許税の軽減 | 株式会社は資本金の0.7%→0.35%(最低税額15万円→7.5万円)、合同会社は6万円→3万円 | 法人成りするとき |
| 創業関連保証 | 事業開始6か月前(通常は2か月前)から利用できる | 開業前に借入をしたいとき |
| 日本政策金融公庫 | 新規開業・スタートアップ支援資金で特別利率が適用される | 開業資金を借りるとき |
登録免許税の金額は大阪市の案内の数字です。信用保証と公庫の内容は、中小企業庁の創業支援の資料にまとめられています。
個人事業主にとって見落としやすいのは、登録免許税です。いまは個人でも、売上が伸びて法人成りするときに、証明書があれば株式会社の設立費用が7.5万円下がります。法人成り後の補助金の扱いは、事業再構築補助金は法人成り後も続く?で整理しています。
持続化補助金<創業型>第4回の要件とスケジュール
第4回の創業型は、開業日と特定創業支援を受けた日の両方が2025年12月15日〜2026年12月15日に入っていることが条件です。どちらか一方が外れると申請できません。
補助金ポータルの第4回の解説によると、日程は次のとおりです。
| 手続き | 日付 |
|---|---|
| 申請受付の開始 | 2026年11月5日(木) |
| 事業支援計画書の発行受付の締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付の締切 | 2026年12月15日(火)17時 |
事業支援計画書は、地域の商工会・商工会議所が発行する書類です。申請の締切より11日早く閉まります。実質の締切は12月15日ではなく12月4日と考えてください。
対象経費は、機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託外注費の8種類です。広報費やウェブサイト関連費だけの申請はできません。チラシとホームページだけで組むと、要件から外れます。
たとえば整体院を開く個人事業主なら、施術用の機器を機械装置等費に置き、開業告知のチラシを広報費に置く組み方になります。販路開拓の計画の中で、機器が売上にどうつながるかを1本の筋で説明できる形です。経費の種類を並べるだけでは、計画審査で評価されにくくなります。
補助事業が終わるまでに、商品やサービスの提供を始めている必要もあります。開業準備のためだけの経費では通りません。
開業時期で分かれる創業型とAI導入補助金の使い分け
開業から1年以内で証明書があるなら創業型、確定申告を1回終えているならAI導入補助金も候補に入ります。開業時期で使える制度が変わります。
| あなたの状況 | 選ぶ制度 | 理由 |
|---|---|---|
| 開業が2025年12月15日以降で、証明書あり | 持続化補助金<創業型> | 上限200万円で販路開拓に使える |
| 開業が2025年12月15日以降で、証明書なし | 12月4日までに受講が間に合うか確認 | 受講に1か月以上かかる |
| 確定申告を1回以上終えている | AI導入補助金・持続化補助金の一般型 | 納税証明書と申告書の控えを出せる |
| 法人成りを予定している | 証明書で登録免許税を軽減 | 補助金と別に設立費用が下がる |
AI導入補助金は、個人事業主に確定申告書の控えと納税証明書の提出を求めます。そのため、開業1年未満では申請できません。詳しくは個人事業主のAI導入補助金にまとめています。
創業型を使わない判断もあります。開業日が2025年12月14日以前なら、第4回の創業型は対象外です。その場合は、証明書を取るための受講に時間を使うより、一般型の準備を先に進めてください。一般型の採択率は小規模事業者持続化補助金で確認できます。
ツール導入が主目的の方も同じです。予約システムや会計ソフトを入れたいなら、1回目の確定申告を終えてからAI導入補助金を狙うほうが、目的と制度がずれません。
証明書があっても補助金を受けられない3つの失敗
証明書を持っていても、発行元の取り違え・対象期間の外れ・計画書の締切切れの3つで申請に進めない人がいます。どれも日付と窓口の確認で防げます。

1つ目は、セミナーの修了証を証明書だと思い込むことです。申請に使えるのは、市区町村が発行した証明書です。修了証をもらった時点で安心せず、市区町村の窓口へ交付を申し込んでください。
2つ目は、対象期間の外れです。開業届を早めに出したために、開業日が2025年12月14日以前になる例があります。開業届の日付は、開業届の電子申請|個人事業主がe-Taxで出す5ステップを参考に、補助金の予定と合わせて決めてください。
3つ目は、事業支援計画書の締切切れです。商工会・商工会議所は面談をしてから計画書を出します。締切直前は窓口が混み、12月4日に間に合わないことがあります。
採択されても、交付決定の前に契約・発注・支払いをした経費は補助されません。開業準備で急いでいても、発注は交付決定の通知を待ってください。
証明書の取得から申請までの5ステップ
証明書の取得から申請までは、受講先を探す・受講する・証明書を取る・計画書をもらう・電子申請するの5段階です。受講に最低1か月かかるため、逆算が欠かせません。

ステップ1: 市区町村のサイトで対象の創業支援を探す
「市区町村名 特定創業支援等事業」で検索すると、対象のセミナーや相談窓口の一覧が出ます。事業所がある市区町村の事業を選んでください。
ステップ2: 4分野を4回以上・1か月以上受ける
経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野を受け切ります。欠席すると回数が足りなくなるため、日程を先に確保します。
ステップ3: 市区町村の窓口で証明書を受け取る
修了後に交付申請をします。発行までの日数は自治体ごとに違うため、申し込むときに窓口で確認してください。
ステップ4: 商工会・商工会議所で事業支援計画書をもらう
事業計画書の案を持って相談します。第4回は12月4日が発行受付の締切です。
ステップ5: 電子申請で提出する
申請にはGビズIDプライムが要ります。IDの発行にも日数がかかるため、ステップ1と同時に取得を始めてください。
採択後の入金までにかかる時間と資金繰り
補助金は後払いのため、採択されても入金までの経費は自分で立て替える必要があります。開業資金の計画に、この立て替え分を入れておきます。
当社が申請を支援した事業者では、2025年4月〜2026年3月に申請を支援した30社のうち25社が採択されました(採択率83.3%)。採択された25社は、全社が申請から31〜60日で採択されています。
この数字は当社の支援実績で、創業型の採択率や審査期間を示すものではありません。ただ、採択の通知まで1〜2か月、さらに補助事業の実施と実績報告を経てから入金になる流れは、どの補助金でも共通です。
私が開業直後の方と資金計画を見直すときは、補助対象経費の全額を一度払える状態かを最初に確かめます。200万円の補助を受けるには、300万円の経費を先に払う必要があります。足りない分は、証明書の優遇が使える公庫の融資と組み合わせて考えてください。
給付金との違いは個人事業主の給付金・補助金で整理しています。
まとめ|証明書は締切から逆算して使う
特定創業支援等事業の証明書を持つ個人事業主は、持続化補助金<創業型>に上限200万円で申請できます。第4回は、開業日と支援を受けた日が2025年12月15日〜2026年12月15日の間にあることが条件です。
使えるかどうかは、証明書の有無より「開業日」と「12月4日」の2つの日付で決まります。開業日が期間外なら、一般型か、確定申告後のAI導入補助金に切り替えてください。
今日できる一歩は、市区町村のサイトで特定創業支援等事業の日程を開くことです。1か月以上の受講期間を12月4日から引き、間に合う回があるかを確かめてください。
