補助金

飲食店の助成金の条件|22都道府県で業務改善助成金が締切済み

公開: 2026年10月3日執筆: 原口優(代表取締役)読了目安: 9分
記事の内容に関わる場面のイメージ
※ 写真はイメージです

本記事は2026年10月時点の情報です|この記事はアルバイト中心で営業している飲食店のオーナー・経営者向けです。賃上げやレジの入れ替えに助成金を使えるか、今年度に間に合うかを知りたい方に向けて書いています。向けです

飲食店が助成金を受け取れるかは、「雇用保険に入った従業員がいるか」「取り組む前に申請したか」の2点でほぼ決まります。売上や店の規模より先に、この2つを確かめてください。

飲食店が助成金を受け取れるかは、「雇用保険に入った従業員がいるか」「取り組む前に申請したか」の2点でほぼ決まります。売上や店の規模より先に、この2つを確かめてください。

設備投資に使える業務改善助成金には、もう1つ条件があります。店でいちばん低い時給が、今年度の新しい最低賃金より低いことです。

この記事は、アルバイト中心で営業している飲食店のオーナー・経営者向けです。賃上げやレジの入れ替えに助成金を使えるか、今年度に間に合うかを知りたい方に向けて書いています。

※ 2026年10月時点の情報です(10月3日に確認)。厚生労働省の令和8年度の資料で確認しました。

この記事でわかること

  • 飲食店が助成金を受け取る共通の条件
  • 業務改善助成金の条件と、都道府県別の申請期限
  • アルバイトを正社員にするときの条件
  • 条件を満たしても受け取れないNG例

飲食店が助成金を受け取る共通の条件は何か

厚生労働省の雇用関係助成金は、雇用保険の適用事業所であることが最初の条件です。家族だけで営む店や、雇用保険に入っていないアルバイトだけの店は、この時点で外れます。

助成金とは、雇用や賃金の改善に取り組んだ事業主に、国が費用の一部を支給する返済不要のお金です。

雇用関係助成金の共通要領(令和8年4月8日版)は、受け取れない事業主も定めています。飲食店で当てはまりやすいのは次の4つです。

共通の条件 飲食店で引っかかりやすい場面
雇用保険の適用事業所であること 申請日と支給決定日の両方で被保険者がいる必要がある
労働保険料を滞納していないこと 前年度より前の保険料が未納のまま
過去1年に労働関係法令の違反で送検されていないこと 未払い残業などで送検された
風俗営業等関係事業主でないこと 接待をする1号営業の店(次の章で説明)

出典は厚生労働省「雇用関係助成金支給要領 共通要領」です。

飲食店が助成金を受け取る共通の条件

中小企業かどうかの基準も、飲食店は業種で決まります。共通要領では、飲食店は小売業に含まれ、資本金5,000万円以下か、常時雇用する労働者50人以下が中小企業です。

AI導入補助金など経済産業省系の補助金とは、数え方が違う場合があります。制度ごとに要領で確かめてください。飲食店のAI導入補助金の基準は飲食店のAI導入補助金 対象要件で整理しています。

接待を伴う飲食店は助成金の対象になるのか

接待をする1号営業の店は、キャリアアップ助成金など多くの雇用関係助成金で対象外です。共通要領は、風営法2条4項の接待飲食等営業(同条1項1号に限る)を行う事業主を除外しています。

キャバクラや、接待をするスナックがこれに当たります。一方で、共通要領は除外しない場合も書いています。

  • 1号営業の許可を得ているだけで、接待営業をしていない
  • 接待営業の規模が、事業全体の一部にとどまる
  • 雇用調整助成金を受けようとしている
注意: 業務改善助成金は別の要綱で判定する
業務改善助成金は雇用関係助成金とは別の交付要綱で運用されています。接待を伴う店が対象になるかは、申請前に管轄の労働局へ確かめてください。

居酒屋やカフェのように、風営法の許可が要らない一般の飲食店はこの除外に当たりません。迷ったら、営業許可証の種類を手元に置いて労働局に聞くのが確実です。

業務改善助成金の条件|時給が新しい最低賃金より低い店だけ

2026年度の業務改善助成金は、店でいちばん低い時給を50円以上上げ、設備投資をした店が対象です。令和8年度の案内では、対象事業者の条件が3つ示されています。

  1. 中小企業・小規模事業者であること(みなし大企業でない)
  2. 事業場内最低賃金が、令和8年度の地域別最低賃金より低いこと
  3. 解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
事業場内最低賃金とは、その店で働く人のうち最も低い時給のことです。業務改善助成金では、雇い入れから6か月を過ぎた人で判定します。

引き上げる対象は、週20時間以上働く雇用保険の加入者です。令和8年度からこの条件が明記されました。週2〜3日の短いシフトのアルバイトは、数に入らないことがあります。

上限額は、引き上げ額のコースと人数で決まります。従業員30人未満の店の上限は次のとおりです。

コース 1人 2〜3人 4〜5人 6〜7人 8人以上
50円コース 40万円 70万円 70万円 90万円 110万円
70円コース 50万円 100万円 130万円 180万円 230万円
90円コース 100万円 240万円 270万円 360万円 450万円

出典は厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」です。

助成率は、引き上げ前の事業場内最低賃金で変わります。1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。特例事業者(時給1,050円未満の店、または利益率が3ポイント以上下がった店)は、10人以上を上げると上限が最大600万円になります。

計算の例を1つ示します。京都府の店で、いちばん低い時給が1,130円だったとします。3人を1,200円に上げる70円コースなら上限は100万円です。POSレジなどの設備に120万円をかけると、120万円×3/4=90万円が上限内に収まり、90万円が支給額になります。

業務改善助成金を受け取るまでの流れ

支給は後払いです。交付決定を受けてから賃上げと設備の支払いを済ませ、実績報告の審査を経て振り込まれます。

AI導入補助金の無料相談

業務改善助成金の申請期限は都道府県ごとにいつまでか

申請期限は、店のある都道府県で新しい最低賃金が発効する前日か、11月30日のどちらか早い日です。申請の受付は2026年9月1日に始まりました。

当社が厚生労働省の「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」から数えると、2026年10月3日の時点で、47都道府県のうち22で申請期限を過ぎています。東京・大阪・愛知・北海道など15都道府県は10月1日に発効したため、期限は9月30日でした。

まだ申請できるのは次の25府県です。日付は発効日の前日で、12月発効の3県は11月30日になります。

申請期限 府県(期限)
10月3日 福井・奈良・福岡
10月7日〜17日 山口(7日)・島根(9日)・広島(10日)・秋田(13日)・静岡(14日)・福島(15日)・茨城(17日)
10月23日〜31日 宮崎(23日)・鹿児島(24日)・青森(28日)・高知(28日)・山形(29日)・山梨・徳島・愛媛・大分(31日)
11月 長崎(1日)・佐賀(14日)・京都(15日)・岩手・熊本・沖縄(30日)

発効日の出典は厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」です。全国加重平均は1,177円で、前年度の1,121円から56円上がりました。

新しい最低賃金の発効日当日に時給を上げても、助成の対象になりません。案内には、発効日の前日までに引き上げを終える必要があると書かれています。予算の範囲内で交付するため、期限の前に募集が終わる場合もあります。

期限を過ぎた都道府県の店は、今年度の業務改善助成金は使えません。翌年度の案内を待つか、次の章以降の制度を検討してください。

ここまでの内容が自社に当てはまるか、確認しませんか。

補助金が使えるか、3分で無料診断する

8問に答えるだけ。登録不要で、その場で判定が出ます

アルバイトを正社員にする飲食店の条件は何か

アルバイトや契約社員を正社員にした飲食店は、キャリアアップ助成金の正社員化コースを使えます。中小企業なら1人40万円、重点支援対象者の有期雇用労働者なら最大80万円です。

転換前の雇用形態 重点支援対象者 それ以外
有期雇用(期間の定めあり) 80万円(40万円×2期) 40万円
無期雇用(期間の定めなし) 40万円(20万円×2期) 20万円

出典は厚生労働省「キャリアアップ助成金(正社員化コース)のご案内」(令和8年4月8日版)です。受け取る条件は3つあります。

  1. 正社員に転換する前日までに、キャリアアップ計画を労働局に出す
  2. 正社員に転換する制度を、就業規則などに書いておく
  3. 転換後6か月の賃金を、転換前6か月より3%以上増やす

飲食店で見落としやすいのは、正社員の定義です。転換した時点で「賞与か退職金」と「昇給」の制度が適用されていないと、正社員として認められません。アルバイトの店長を正社員にする前に、就業規則の賞与と昇給の欄を確かめてください。

正社員転換制度を新たに規定すると20万円、勤務地限定などの多様な正社員制度なら40万円の加算もあります。加算は1事業所につき1回だけです。

条件を満たしても受け取れない飲食店のNG例

条件を満たしていても、順番を間違えると1円も受け取れません。業務改善助成金の案内は、交付決定の前に導入した設備を対象外としています。

条件を満たしても受け取れない飲食店のNG例

当社が飲食店の相談を受けると、次の5つを着手前に必ず確かめます。

NG例 起きること 避け方
交付決定の前にレジを注文する その設備は助成の対象外 通知が届いてから発注する
時給を2回に分けて上げる 複数回の引き上げは認められない 1回で申請コース以上を上げる
週20時間未満のアルバイトを数える 引き上げる人数に入らない 雇用保険の加入者で数える
就業規則の金額を直さない 要件を満たさない 引き上げ後の時給を就業規則に書く
計画の前に正社員にする キャリアアップ助成金の対象外 転換の前日までに計画を出す

もう1つは店舗ごとの申請です。業務改善助成金は事業所ごとに申請し、同じ事業所の申請は年度内に1回までです。2店舗あれば、店ごとに別々に申請します。

飲食店は助成金と補助金のどちらを先に使うか

時給を上げる予定があり期限内なら業務改善助成金、そうでなければAI導入補助金を先に検討してください。2つは目的が違うため、店の状況で分かれます。

店の状況 先に検討する制度
いちばん低い時給が新しい最低賃金より低く、期限内に上げられる 業務改善助成金
期限を過ぎた、または時給を上げる予定がない AI導入補助金(ソフトウェアやクラウドの導入)
アルバイトを正社員にする予定がある キャリアアップ助成金(他と並行できる)
接待を伴う1号営業の店 労働局に対象かどうかを先に確認

同じ設備の同じ経費に、国の補助を重ねて受けることはできません。たとえばPOSレジを業務改善助成金で買い、予約管理のソフトはAI導入補助金で入れる、と経費ごとに分けます。

使わない判断もあります。賃上げの原資が設備投資の効果で回らないなら、助成金のために時給を上げるのは勧めません。上げた時給は翌年も続くからです。

補助金でいくら受け取れるかは飲食店の補助金はいくら?、申請の手順は飲食店のAI導入補助金|申請の進め方5ステップにまとめています。

助成金と補助金の違いは中小企業の助成金とは?も参考になります。

AI導入補助金の無料相談

当社はAI導入補助金の登録支援事業者で、2020年3月の創業から2026年9月までに、のべ50社以上の導入を支援しました。MEO運用サービス「G-ran」では通算3,200店舗以上を運用し、飲食店の現場の事情も見てきました。

自社が対象になるかを確かめたい場合は3分の適性診断(無料・8問)もご利用ください。

まとめ: 今日やることは「時給」と「雇用保険」の確認

飲食店の助成金の条件は、雇用保険の加入者がいること、取り組む前に申請すること、の2つが土台です。業務改善助成金は、これに時給と申請期限の条件が加わります。

今日できる一歩は、シフト表と給与台帳を並べることです。週20時間以上で雇用保険に入っている人と、その中でいちばん低い時給を書き出してください。

その時給が新しい最低賃金より低く、店の府県が期限内なら、すぐ労働局に交付申請を出す準備に入れます。期限を過ぎていれば、AI導入補助金で何を入れるかの検討に切り替えましょう。

助成金は「先に申請、後で実施」が鉄則です。レジを注文する前に、この順番だけは守ってください。

よくある質問

飲食店が助成金を受け取るための共通の条件は何ですか?
雇用保険の適用事業所で、労働保険料の滞納がなく、取り組む前に計画を出していることです。
2026年度の業務改善助成金は今から申請できますか?
新しい最低賃金の発効前日か11月30日の早い方が期限で、10月3日時点で22都道府県は過ぎています。
アルバイトしかいない飲食店でも業務改善助成金は使えますか?
週20時間以上で雇用保険に入っているアルバイトがいれば、引き上げる対象として数えられます。
スナックやキャバクラは雇用関係の助成金の対象になりますか?
接待飲食等営業を行う店は、キャリアアップ助成金など多くの雇用関係助成金で対象外です。
アルバイトを正社員にすると助成金はいくらですか?
キャリアアップ助成金で、中小企業なら1人40万円、重点支援対象者は最大80万円です。
業務改善助成金とAI導入補助金は同じ設備に使えますか?
同じ経費に国の補助を重ねて受けることはできません。設備ごとに使う制度を分けてください。

補助金が使えるか、無料で確認しませんか

要件の確認から申請書類の準備まで、はじめての方でも進められるようご案内します。

まず3分の無料診断で「うちの場合」を確認する 3営業日以内に返信します。営業電話はいたしません。
SUPERVISED BY|この記事の監修者
原口優
原口 優|セブンセンシズ株式会社 代表取締役
大阪・東成区のデジタルマーケティング&AI導入支援会社の代表。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の申請を、GビズIDの取得から実績報告まで伴走支援。MEO事業「G-ran」運営。AI導入補助金の申請実務・採択ノウハウを毎日発信しています。