飲食店が補助金で受け取れる額は「税抜の投資額×補助率」で、上限額ではありません。レジや注文アプリなら数万〜数十万円、集客の販促なら最大50万円前後、厨房設備なら数百万円が目安です。上限額をそのまま見積もりに入れると、消費税・後払い・下限額の3点で計算が外れます。
※ 2026年10月時点の情報です。補助率と上限額は公募回ごとに変わるため、申請前に事務局のページで確かめてください。
この記事でわかること
- 投資の中身ごとに使う制度と受け取れる額
- 上限額で見積もると外れる3つの落とし穴
- 店の規模と投資額で決まる制度の選び方
- 受け取れる額を今日見積もる3ステップ
飲食店が補助金でもらえる額はどう決まるのか
受け取れる額は、税抜の投資額に補助率を掛け、上限額で頭打ちにした金額です。計算の起点は上限額ではなく、自店が払う金額にあります。
関連する内容として飲食店の助成金の条件も公開しています。
計算は3つの数字で終わります。投資額・補助率・上限額です。たとえば補助率2/3・上限50万円の制度に60万円を投じると、60万円×2/3=40万円が受取額です。
上限の50万円は届きません。上限額は「ここを超えたら削る線」であって、もらえる額の約束ではないのです。
飲食店のどの投資にどの制度が合うかは、飲食店のAI導入補助金の対象要件で業種区分から確かめられます。
投資の中身ごとに使う補助金と受け取れる額
飲食店の投資は「注文・会計のソフト」「集客」「厨房設備」の3つに分かれ、使う制度と受取額の桁が変わります。同じ経費を2つの制度に重ねて申請することはできません。
| 投資の中身 | 使う制度 | 補助率 | 上限額・下限額 | 受取額の例 |
|---|---|---|---|---|
| 注文アプリ・予約・会計ソフト | AI導入補助金(通常枠) | 1/2(賃上げで2/3) | 5万円〜450万円 | 税抜120万円 → 60万円 |
| 会計・決済ソフト+レジ | AI導入補助金(インボイス対応類型) | ソフト3/4〜4/5・レジ1/2 | レジは上限20万円 | 税抜50万円 → 34万円 |
| HP・チラシ・客席の改装 | 小規模事業者持続化補助金 | 2/3 | 通常枠50万円(特例で最大200万円) | 税抜90万円 → 50万円 |
| 急速冷凍機・真空包装機 | ものづくり補助金 | 1/2(小規模は2/3) | 下限100万円 | 税抜600万円 → 300万円 |
AI導入補助金の補助率と上限額は、事務局の通常枠のページとインボイス対応類型のページに載っています。
表の2行目は、個人経営のカフェを想定した計算です。会計ソフト30万円に小規模事業者の4/5を掛けて24万円になります。レジ20万円に1/2を掛けて10万円です。合計34万円が受取額で、税抜50万円の投資に対する自己負担は16万円です。
持続化補助金の枠と特例は小規模事業者持続化補助金の公式サイト、ものづくり補助金の要件はものづくり補助金総合サイトで確かめられます。
どの投資にどの制度が合うか、税抜の見積書から一緒に計算します。
AI導入補助金の無料相談落とし穴1: 上限額を受け取れる額と思い込む
上限額が受け取れるのは、投資額×補助率が上限を超えたときだけです。上限から逆算して投資額を決めると、店に要らない設備まで買うことになります。

持続化補助金の通常枠は、補助率2/3・上限50万円です。上限にちょうど届く投資額は75万円になります。
税抜90万円のHP制作とチラシに申請しても、90万円×2/3=60万円は上限で削られ、受取額は50万円です。一方、税抜45万円の投資なら受取額は30万円にとどまります。
「50万円もらえるから50万円のHPを作る」は、受取額が約33万円になる計算です。上限ではなく、要る投資の額から考えてください。
申請の要件に自社が当てはまるかは、3分の適性診断(無料・8問)で確かめられます。登録は不要で、その場で点数が出ます。
落とし穴2: 消費税と交付決定前の支払いは1円も補助されない
補助額は税抜の金額から計算され、交付決定の前に発注・支払いした経費は対象から外れます。どちらも申請後に取り返せません。
冷蔵庫の故障などで先に買いたくなっても、交付決定の通知を受け取る前に契約・発注・支払いをした分は対象外です。見積書を取るのはよいが、発注は通知の後と覚えてください。
先ほどのカフェの例では、税抜50万円に消費税10%の5万円が加わります。受取額34万円は変わらないため、実際の自己負担は16万円ではなく21万円です。
見積書が税込で届いた場合は、税抜の金額に直してから補助率を掛けてください。税込の金額に補助率を掛けると、受取額を1割多く見積もることになります。
落とし穴3: 入金は導入から数か月後の後払い
補助金は、導入と支払いを終えて実績報告が確定した後に振り込まれます。それまでは補助される分も含めて全額を店が立て替えます。
申請から採択の通知までにも、まとまった日数がかかります。採択の後に交付決定・発注・導入・支払い・実績報告が続くため、入金はさらに先になります。
カフェの例なら、店がいったん払う額は税込55万円です。34万円が戻るのは実績報告の後です。
補助金の入金を開店資金や運転資金の返済に当てる計画は組まないでください。立て替える分は、手元の資金か融資で先に用意しておく必要があります。
着金までの流れはAI導入補助金はいくらもらえる?でも、枠ごとの計算とあわせて扱っています。
店の規模と投資額で決まる制度の選び方
使う制度は、投資の中身と金額の2つで決まります。下限額に届かない制度や、上限ですぐ頭打ちになる制度を選ぶと、受取額が小さくなります。
- 注文・予約・会計をソフトで回したいなら、AI導入補助金です。会計や決済の機能があり50万円以下ならインボイス対応類型、それより大きい投資は通常枠が向きます
- 集客の販促や客席の改装で75万円以下なら、持続化補助金です。75万円を超える部分は通常枠では補助されません
- テイクアウト商品の製造など厨房設備で200万円以上なら、ものづくり補助金です。下限100万円のため、補助率1/2では200万円未満の投資は申請できません。小規模事業者(補助率2/3)なら150万円が目安です
補助金を待たないほうがよい場合もあります。冷蔵庫や製氷機が壊れて明日の営業に響くなら、交付決定まで待てないので補助金は使わず買い替えてください。
自己負担分と立て替える分を用意できない場合も、無理に申請しないでください。投資額を絞るか、資金の目途が立つ次の公募回を選ぶほうが安全です。
ものづくり補助金で対象になる設備の例は、ものづくり補助金は飲食店で使える?採択事例3パターンにまとめています。持続化補助金で対象になる販促や改装は、飲食店で持続化補助金の対象になる4つの投資で確かめられます。
受け取れる額を今日見積もる3ステップ
手元の見積書を中身ごとに分け、制度を当て、税抜の金額に補助率を掛ければ、受け取れる額は今日わかります。電卓1つで終わる作業です。

1つ目は、見積書をソフト・機器・集客・設備に分けることです。レジはソフトと同時に入れる場合だけAI導入補助金の対象になるため、ソフトと同じ見積書に載せてもらいます。
2つ目は、中身ごとに制度を1つ当てることです。同じ経費を2つの制度で申請することはできません。
3つ目は、税抜の金額×補助率を計算し、上限額で削り、下限額に届くかを確かめることです。この3つ目の結果が、資金計画に書いてよい受取額です。
当社はAI導入補助金の登録支援事業者として、飲食店の申請を支援しています。私たちの相談でも、最初に聞かれるのは「いくらもらえるか」です。見積書を1枚用意していただければ、受取額と立て替える額をその場で出せます。
申請の段取りは、飲食店のAI導入補助金 申請の進め方5ステップで営業を止めない進め方を紹介しています。
見積書があれば、受取額・自己負担・立て替える額を無料で試算します。
AI導入補助金の無料相談まとめ: 受取額は上限ではなく税抜の投資額×補助率で決まる
飲食店が補助金で受け取れる額は、税抜の投資額×補助率を上限額で削った金額です。注文・会計のソフトはAI導入補助金、75万円以下の販促は持続化補助金、200万円以上の厨房設備はものづくり補助金が目安になります。
見積もるときは、消費税が自己負担になること、交付決定前の発注が対象外になること、入金が実績報告の後になることの3点を必ず入れてください。
今日できる一歩は、手元の見積書を税抜の金額に直し、補助率を掛けてみることです。迷ったら、その見積書をそのまま無料相談にお持ちください。

